中島京子 (作家)

中島京子

中島京子（1964年3月23日生まれ）は、東京都杉並区出身の日本の小説家、エッセイストです。中央大学名誉教授でフランス文学者である父・中島昭和と、同じくフランス文学者で明治大学元教授の母・中島公子を持ち、姉にはエッセイストの中島さおりがいます。

経歴

共立女子第二高等学校、東京女子大学文理学部史学科を卒業後、早稲田国際日本語学校職員、出版社勤務を経て、フリーライターに転身。
出版社では女性誌の編集に長く携わりました。
1996年にはインターンシップ・プログラムスで渡米しています。

2003年、『FUTON』で小説家デビューを果たし、同作は第25回野間文芸新人賞候補となりました。
その後も、『イトウの恋』、『均ちゃんの失踪』、『冠・婚・葬・祭』と、数々の作品が吉川英治文学新人賞候補に挙がります。

2010年、『小さいおうち』で第143回直木三十五賞を受賞し、その名を広く知られることとなりました。
2011年には、『ハブテトル ハブテトラン』で第1回広島本大賞を受賞しています。

2014年には、『小さいおうち』が山田洋次監督によって映画化され、第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品。出演した黒木華が最優秀女優賞である銀熊賞を受賞しました。同年、『妻が椎茸だったころ』で第42回泉鏡花文学賞を受賞しています。

2015年、『かたづの!』で第3回河合隼雄物語賞、第4回歴史時代作家クラブ賞（作品賞）、第28回柴田錬三郎賞を受賞。『長いお別れ』で第10回中央公論文芸賞、第5回日本医療小説大賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。

2020年、『夢見る帝国図書館』で第30回紫式部文学賞を受賞。
2022年には、『ムーンライト・イン』と『やさしい猫』で第72回芸術選奨文部科学大臣賞を、『やさしい猫』で第56回吉川英治文学賞を受賞しています。

作品の特徴と魅力

中島京子の作品は、昭和の時代を背景にしたものから現代を舞台にしたものまで、幅広いテーマを扱っています。
日常に潜む小さな出来事や感情を丁寧に描き出し、読者の心に深く響く作品が多いのが特徴です。
ユーモアとペーソスが織り交ぜられた独特の文体も魅力の一つで、読後には温かい気持ちになれるでしょう。

主な作品

FUTON：小説家デビュー作。
イトウの恋：恋愛模様を描いた作品。
さようなら、コタツ：短編集。
ツアー1989：短編集。
均ちゃんの失踪：失踪事件を扱ったミステリー。
桐畑家の縁談：家族の物語。
冠・婚・葬・祭：人生の節目を描いた短編集。
平成大家族：大家族の日常を描いた作品。
ハブテトル ハブテトラン：広島を舞台にした物語。
エ/ン/ジ/ン：宇宙を舞台にしたSF。
女中譚：女中の視点から描かれた物語。
小さいおうち：直木賞受賞作。昭和初期の東京を舞台にしたミステリー。
エルニーニョ：現代を舞台にした物語。
花桃実桃：家族の絆を描いた作品。
東京観光：東京を舞台にした短編集。
眺望絶佳
のろのろ歩け
妻が椎茸だったころ：ファンタジー要素を含んだ作品。
かたづの！：歴史小説。
パスティス 大人のアリスと三月兎のお茶会：ファンタジー。
長いお別れ：認知症の父との別れを描いた作品。
彼女に関する十二章
ゴースト
樽とタタン
夢見る帝国図書館：紫式部文学賞受賞作。
キッドの運命：短編集。
ムーンライト・イン
やさしい猫：吉川英治文学賞受賞作。
オリーブの実るころ

メディアミックス

小さいおうち：山田洋次監督により映画化。
長いお別れ：中野量太監督により映画化。
やさしい猫：NHK総合でテレビドラマ化。

中島京子の作品は、読む人の心に寄り添い、温かい気持ちにさせてくれるでしょう。ぜひ手に取って、その世界に触れてみてください。

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