泉鏡花文学賞

泉鏡花文学賞について

泉鏡花文学賞は、文豪・泉鏡花の生誕100年を記念し、1973年に金沢市によって創設された文学賞です。年1回選考が行われ、受賞作品は選考委員の合議によって決定されます。受賞者には、正賞として八稜鏡、副賞として100万円（2017年時点）が贈られます。

この賞は、小説や戯曲などの単行本を対象としており、「ロマンの薫り高い作品」が選考の基準とされています。しかし、選考においては、作品そのものの評価だけでなく、作家個人の業績も考慮されることがあります。例えば、第30回には、野坂昭如が作家としての長年の功績を評価されて受賞しています。

また、受賞者の顔ぶれも特徴的で、第16回には吉本ばななのようにデビュー間もない新人が選ばれることもあれば、第39回には瀬戸内寂聴のように円熟したベテラン作家が受賞することもあります。このように、新人からベテランまで、幅広い層の作家にチャンスが開かれている文学賞であると言えるでしょう。

併設の賞

泉鏡花文学賞には、併設の賞として「泉鏡花記念金沢市民文学賞」があります。この賞は、金沢市にゆかりのある作家のみが選考対象となる点が特徴です。

選考委員の変遷

泉鏡花文学賞の選考委員は、その時々によってメンバーが入れ替わっています。以下に、過去の選考委員の変遷をまとめました。

第1回から15回: 五木寛之、井上靖、奥野健男、尾崎秀樹、瀬戸内晴美、三浦哲郎、森山啓、吉行淳之介
第16回から18回: 五木、井上、奥野、尾崎、三浦、森山、吉行
第19回: 五木、奥野、尾崎、三浦、吉行
第20回から21回: 泉名月、五木、奥野、尾崎、半村良、三浦、吉行
第22回から24回: 泉、五木、奥野、尾崎、半村、三浦
第25回: 泉、五木、奥野、尾崎、半村
第26回: 泉、五木、尾崎、半村、村田喜代子
第27回: 泉、五木、半村、村田
第28回: 泉、五木、金井美恵子、半村、村田、村松友視
第29回から35回: 泉、五木、金井、村田、村松
第36回: 五木、金井、村田、村松
第37回から43回: 嵐山光三郎、五木、金井、村田、村松
第44回・第45回: 嵐山光三郎、五木寛之、金井美恵子、村松友視、山田詠美
第46回から第50回: 嵐山光三郎、五木寛之、金井美恵子、村松友視、山田詠美、綿矢りさ
第51回から: 嵐山光三郎、五木寛之、村田喜代子、村松友視、山田詠美、綿矢りさ

選考委員の顔ぶれからも、文学界の重鎮から気鋭の作家まで、幅広い層が選考に携わっていることがわかります。

受賞作品一覧

（受賞作品一覧は、入力情報では第1回から第60回までと記載されていますが、具体的な作品名がありませんので、ここでは省略します。）

その他の情報

関連事項: 地方文学賞、文学賞の一覧
* 外部リンク: 文学のまち金沢 泉鏡花文学賞 - 金沢市

まとめ

泉鏡花文学賞は、金沢市が主催する歴史ある文学賞であり、ロマンの薫り高い作品を顕彰するだけでなく、作家の業績も評価対象とする点が特徴です。選考委員のメンバーや受賞者の顔ぶれからも、その文学賞としての重みが感じられます。

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