中島広足

中島広足は、寛政4年3月5日（1792年4月25日）に肥後国熊本城下で生まれ、文久4年1月21日（1864年2月28日）に没しました。彼は江戸時代後期の熊本藩士であり、国学者、歌人として名を残しました。橿園という号でも知られています。

代々細川家の家臣であった家に生まれた中島広足は、11歳で父・惟規を亡くし家督を継ぎました。15歳で御小姓役として細川斉茲に仕えましたが、24歳の時に病のため家督を妹婿に譲り、国学の研究に専念することを決意します。彼は本居宣長に国学を学んだ長瀬真幸に師事し、本格的に国学の道を歩み始めました。

30歳頃には長崎に移り住み、長崎諏訪神社の神官らと交流を深めました。また、家塾を開いて和歌や国学などを教え、後進の育成にも力を注ぎました。その後、大坂に移り住みましたが、晩年は熊本に戻り、藩校時習館の国学教授として多くの門弟を育てました。

中島広足は、国学者、歌人として多くの著作を残しました。代表的なものに、『橿園集』や『志能数多礼』（しのすだれ）などがあります。これらの著作は、彼の学問に対する深い造詣と、和歌に対する豊かな感性を今に伝えています。

参考文献
鈴木喬編『熊本の人物』熊本日日新聞社、1982年、112-113頁。
熊本日日新聞社編纂『熊本県大百科事典』熊本日日新聞社、1982年、608頁。

外部リンク
* 中島広足（kotobank）

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