中島神崎橋

中島神崎橋：広島の街並みを繋ぐ架け橋

広島県広島市の中心部を流れる旧太田川に架かる中島神崎橋は、単なる道路橋以上の存在感を持ちます。1985年9月の開通以来、広島市民の生活に深く根付き、地域のランドマークとして親しまれています。

誕生の経緯と命名の物語

この橋の建設は、広島市中央卸売市場跡地への厚生年金会館（現・広島市文化交流会館）誘致成功という喜ばしい出来事を機に実現しました。当初は左岸の中島地区にちなんで「中島橋」と名付けられる予定でしたが、右岸の神崎地区住民から「神崎橋」とする強い要望があり、両者の意見を尊重する形で「中島神崎橋」というユニークな名称が誕生しました。橋の銘板には、中島と神崎の両名が並列して刻まれているのが特徴です。この命名の経緯は、地域住民の強い思いと、それを受け止めた行政の姿勢を示す興味深いエピソードと言えるでしょう。

周辺環境とアクセス

中島神崎橋は、広島市の重要な施設や公共機関に近接しています。東詰（左岸）には、広島市文化交流会館、アステールプラザ、広島市立中島小学校といった文化施設や教育機関が位置し、西詰（右岸）には、広島電鉄江波線舟入町電停や広島市立神崎小学校があります。公共交通機関の利用も容易で、周辺地域へのアクセスも抜群です。

また、橋の周辺には、平和大通り（西平和大橋）、広島平和記念公園といった歴史的・文化的にも重要な場所があり、観光客にとっても魅力的な立地となっています。上流には西平和大橋、下流には新住吉橋があり、東へは万代橋、西へは観船橋と、複数の橋が繋がり、広島の都市構造を象徴する場所と言えるでしょう。

橋の構造と整備

中島神崎橋は、全長94メートル、幅員16メートルの3径間連続鈑桁橋です。上部工は3径間連続鈑桁橋、下部工はRC逆T式橋台2基、RC張出式橋脚2基、基礎工は杭基礎という堅牢な構造となっています。市道中2区20号線として指定されており、交通量の多い道路を支える重要な役割を担っています。

開通後、河岸整備事業の一環として、歩道や周辺環境の整備が進められました。特に1990年には、左岸側に市内で初めてアンダーパスが整備され、橋の下を通行できるようになり、歩行者や自転車の利便性が向上しました。翌年にはアステールプラザが開館し、周辺地域はさらに活性化しました。

結び

中島神崎橋は、単なる交通インフラとしてだけでなく、地域の文化的発展や生活の向上に貢献してきた歴史を持つ橋です。その存在は、広島の街並みを繋ぎ、人々の暮らしを豊かにする重要な役割を担っています。今後とも、地域のシンボルとして、人々の生活を支え続ける存在であり続けるでしょう。

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