中島章夫 (化学者)

中島章夫

中島章夫（なかじま あきお、1922年2月18日 - 1997年）は、日本の著名な化学者であり、特に高分子化学の分野で多大な貢献をしました。大阪工業大学工学部応用化学科の元教授であり、京都大学では工学博士号を取得しています。また、京都大学医用高分子材料研究センター（現在の京都大学医生物学研究所）の所長も務め、高分子学会の第14期会長としても活躍しました。

専門分野

中島章夫の専門分野は、高分子材料、機能性高分子、そして繊維化学です。これらの分野で、基礎研究から応用研究まで幅広く取り組み、数々の重要な成果を上げています。

経歴

1943年、中島章夫は京都帝国大学工学部繊維化学科（後の高分子化学科）を卒業しました。1951年には、京都大学で工学博士号を取得しています。1961年、京都大学工学部高分子化学科の教授に就任し、第五講座（高分子分子論）を担当しました。その後、京都大学医用高分子材料研究センター（後の生体医療工学研究センター、現在の京都大学医生物学研究所）の所長を歴任し、京都大学を退官しました。

1985年には、大阪工業大学工学部応用化学科の教授として着任し、応用化学教室を担当しました。高分子学会設立総会の初期メンバーであり、第14期会長も務めました。彼の活動は、高分子化学、特に医用高分子材料と機能性高分子の発展と育成に大きく貢献しました。

所属学会としては、日本化学会、高分子学会、繊維学会などが挙げられます。

主な研究内容

中島章夫の研究は多岐にわたりますが、主なものとして以下の点が挙げられます。

高分子の膨潤: 高分子が溶媒を吸収して膨張する現象に関する研究は、高分子材料の特性を理解する上で重要な基礎となります。
オリゴペプチドを固定した生体接着材料の設計と構造・機能の相関性: 生体適合性の高い接着材料の開発を目指し、オリゴペプチドを用いた設計を行いました。その際、構造と機能の関連性を詳細に解析しています。
細胞接着性ペプチドのコンホメーション解析: 大阪府立大学との共同研究で、細胞接着に関わるペプチドの立体構造を解析しました。
合成ポリアミノ酸繊維の吸収性医用材料としての評価: 京都大学医用高分子研究センター、京都工芸繊維大学との共同研究で、ポリ-L-グルタミン酸繊維を用いた吸収性医用材料の評価を行いました。
* ポリアミノ酸荷電膜の特性（電気化学）: 名古屋工業大学との共同研究で、ポリアミノ酸を用いた荷電膜の電気化学的特性を調べました。

これらの研究は、医用材料の開発や高分子の機能性に関する理解を深める上で、非常に重要な貢献をしています。

中島章夫の研究は、高分子化学の発展に大きく寄与しただけでなく、医療分野における高分子材料の応用にも重要な影響を与えました。彼の業績は、今日の高分子化学研究の基礎となっており、その功績は高く評価されています。

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