中島郡 (岐阜県)

中島[[郡]]（なかしまぐん）とは

中島[[郡]]は、かつて美濃国（現在の岐阜県）に存在した郡です。その領域は現在の羽島市の一部、愛知県の一宮市と稲沢市の一部にまたがっていました。中世までは尾張国に属していましたが、木曽川の流路変更により美濃国と尾張国に分割されるという複雑な歴史を辿りました。

中島[[郡]]の領域

1879年（明治12年）に行政区画として発足した当時の郡域は以下の通りです。

岐阜県
羽島市の一部: 江吉良町、舟橋町、堀津町、上中町、下中島、桑原町、竹鼻町駒塚、竹鼻町狐穴、竹鼻町飯柄、竹鼻町蜂尻、正木町大浦、正木町大浦新田、正木町上大浦、正木町曲利、正木町新井、正木町須賀、正木町須賀池端、正木町須賀赤松、正木町須賀小松、正木町三ツ柳
愛知県
一宮市の一部: 東加賀野井
稲沢市の一部: 祖父江町馬飼、祖父江町拾町野、祖父江町祖父江の一部

歴史

中世から近世へ

中島[[郡]]は中世までは尾張国に属していました。しかし、1586年（天正14年）の木曽川の大洪水により、木曽川の流路が東へ移動し、尾張国と美濃国の境が不明瞭になりました。この事態に対し、豊臣秀吉の命により1589年（天正17年）に新しい木曽川を国境とし、中島[[郡]]は美濃国と尾張国にまたがる郡となりました。

近世以降の沿革

明治初年時点での中島[[郡]]の支配状況は、幕府領、旗本領、名古屋藩領などが複雑に入り組んでいました。

1868年（慶応4年）
4月15日：幕府領と旗本領が笠松裁判所の管轄となる。
閏4月25日：笠松裁判所の管轄地域が笠松県の管轄となる。
毛利源内預地が名古屋藩の管轄となる。
名古屋藩領の一部が笠松県の管轄となる。
1871年（明治4年）
7月14日：廃[[藩置県]]により、藩領が名古屋県となる。
11月22日：第1次府県統合により、全域が岐阜県の管轄となる。
1874年（明治7年）
馬飼村が分割され、羽栗郡島村・南之川村に合併。
川東村が石津[[郡]]馬飼村と合併し、中島[[郡]]馬飼村となる。

1879年（明治12年）
2月18日：郡区町村編制法の施行により、行政区画としての中島[[郡]]が発足。「羽栗中島[[郡]]役所」が羽栗郡笠松村に設置され、同郡と共に管轄。
1887年（明治20年）
三拾町村、馬飼村、拾町野村、東加賀野井村の所属郡が愛知県中島[[郡]]に変更。
1889年（明治22年）
7月1日：町村制施行により、大浦村、曲利村、新井村、須賀村、三ツ柳村、駒塚村、狐穴村、飯柄村、蜂尻村、舟橋村、江吉良村、堀津村、沖村、中村、一色村、長間村、午北新田、市之枝村、石田村、城屋敷村、西加賀野井村、八神村、小薮村、大須村、午南新田が発足。それにともない以下の変更が行われる。
千束新田が長間村に、東方村が八神村にそれぞれ合併。
大須村の一部（字寺島）が海西郡幡長村の一部となる。

1897年（明治30年）
4月1日：郡制施行のため、「羽栗中島[[郡]]役所」の管轄区域をもって羽島[[郡]]が発足。同日、中島[[郡]]は廃止となりました。

行政

中島[[郡]]は、羽栗郡との合同で「羽栗中島[[郡]]役所」によって行政運営が行われていました。羽栗郡と中島[[郡]]の郡長は同一人物が兼任していました。

まとめ

中島[[郡]]は、木曽川の流路変更という自然現象に翻弄され、美濃国と尾張国に分割されるという特殊な歴史を辿りました。廃[[藩置県]]、町村制施行といった明治維新後の変革の中で、その姿を変え、最終的には羽島[[郡]]として再編され消滅しました。しかし、その名残は現在の地名や行政区画の中に今も息づいています。

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