中川イサト

中川イサト：日本の音楽シーンを彩ったギタリスト

中川イサト（1947年1月30日 - 2022年4月7日）は、日本のギタリスト、シンガーソングライターとして知られています。彼は、日本におけるフィンガーピッキング奏法の草分けの一人であり、その繊細かつ情感豊かなギタープレイで多くの人々を魅了しました。

生い立ちと音楽活動の初期

中川イサトは、五つの赤い風船というフォークグループで、西岡たかし、長野たかし、藤原秀子らと共に活動を始めました。グループ解散後には、金延幸子、瀬尾一三、松田幸一らと愚を結成し、音楽的な探求を深めました。また、村上律とのフォークデュオでアルバムをリリースするなど、多様な音楽活動を展開しました。

シンガーソングライターとしては、『1970年』『お茶の時間』『黄昏気分』といった作品を発表し、独自の音楽世界を確立しました。

アコースティックギターインストゥルメンタルの確立

1975年、中川イサトは自身の名義でオムニバスライヴ『鼻歌とお月さん』を開催しました。このライブでは、いとうたかお、大塚まさじ、加川良、金森幸介、シバ（三橋誠）、西岡恭蔵といった豪華なボーカリストを迎え、音楽の幅を広げました。また、泉谷しげる、西岡たかしのアルバムにも参加し、彼らの個性を引き出すなど、プロデューサーとしても才能を発揮しました。

『1310』を皮切りにアコースティックギターのインストゥルメンタル作品を精力的に発表し、コンサート活動も行いました。彼のインストゥルメンタル作品は、ギターの美しい音色と繊細な表現力が際立っており、多くのギターファンを魅了しました。

後進の育成と晩年

近年はフィンガーピッカーとしての活動を主体とし、嘉門達夫、押尾コータロー、岸部眞明、ゴンチチといった後進の育成に力を注ぎました。また、代田幸子ら若手ミュージシャンとの共演にも意欲的に取り組み、世代を超えた交流を行いました。

ギター教室で指導を行う傍ら、教則本やビデオを多数手がけ、フィンガーピッキングの普及に貢献しました。2017年には、大阪のライブハウス「ビッグキャット」で古希を祝う誕生日ライブが開催され、ザビエル大村、押尾コータロー、岸部眞明、金森幸介、大塚まさじら、多くのミュージシャンが彼の音楽を祝福しました。

2022年4月7日、慢性腎疾患のため東京都内の病院で死去。75歳でした。同年7月17日には、大阪のライブハウス「5th Street」で、ザビエル大村らの呼びかけによる追悼ライブ『追悼 中川イサトとお茶の時間』が開催され、彼の音楽を愛する多くのミュージシャンが集まりました。

中川イサトは、日本の音楽シーンに多大な影響を与えた偉大なミュージシャンです。彼の音楽は、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

ディスコグラフィ

村上律と中川イサト名義
アルバム
ソロ
アルバム
オリジナル・アルバム
ライブ・アルバム
ベスト・アルバム
コンピレーションアルバム
ビデオ

参加作品

岡林信康
わたしを断罪せよ
ザ・ディランII
きのうの思い出に別れをつげるんだもの
武部行正
ゆふすげびとのうた
有山淳司
ありのままじゅんじ

書籍

楽譜集
ミスター・ギターマン1（1975年 KMP）
中川イサトのフォーク・ギター 初級講座（1976年 成美堂出版）
中川イサトのフォーク・ギター 上級講座（1977年 成美堂出版）
ミスター・ギターマン2（1980年 KMP）
アコースティック・ギター1（1988年 KMP）
中川イサト 岡崎倫典 パーソナル・ギター・プレイ（1989年 KMP）
アコースティック・ギター2（1991年 KMP）
パーソナル・ギター・プレイ（1989年 KMP）
アコースティック・ギター教本（1993年 KMP）
太陽風（1994年 KMP）
蜃気楼の王国（1997年 KMP）
Standards（1998年 KMP）
Dream Catcer（1997年 Acoustic Music Records）
Footprints（2001年 KMP）
Acoustic Guitar Works（2001年 Acoustic Music Records）
Dream Catcher（2004年 KMP）
Rainbow Chaser（2005年 KMP）
Tree Circle（2005年 KMP）
Homespan Music（2006年 KMP）
Acoustic Serenade（2006年 KMP）
Mr.Guitar Man 1&2（2006年 KMP）
アコースティック・ギター教本（2007年 KMP）
* あいらんど（2008年 KMP）

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