中川抹茶

中川抹茶（なかがわ まっちゃ）は、1994年3月28日に滋賀県長浜市で生まれた日本の男性プロボクサーです。角海老宝石ボクシングジムに所属し、初代日本バンタム級ユース王座を獲得するなど、そのキャリアの中で輝かしい実績を残しました。彼の兄は、元WBA東アジアスーパーバンタム級王者の中川麦茶であり、ボクシング界では「お茶兄弟」としても知られています。

プロボクサーとしての第一歩は、本名である武田航として2013年10月5日に後楽園ホールで踏み出されました。デビュー戦は高橋竜平選手とのスーパーフライ級4回戦でしたが、結果は3者とも同スコアの判定で引き分けとなりました。

その後、階級をバンタム級に上げ、2014年にはC級トーナメントの決勝で東大河選手を判定で破り、このトーナメントで優勝を果たしました。この勝利を皮切りに勢いに乗り、2015年には東日本新人王トーナメントに出場。予選、準々決勝、準決勝と勝ち進み、決勝では垣永嘉信選手に判定勝ちを収めて東日本バンタム級新人王の座を射止めました。

さらに、同年12月20日に行われた第62回全日本新人王決定戦のバンタム級部門決勝では、清瀬天太選手と対戦。ここでもフルラウンドの戦いの末に判定勝利を収め、見事全日本新人王の栄冠を手にしました。全日本新人王獲得後、同年12月24日には日本ボクシングコミッション（JBC）の最新ランキングで日本バンタム級15位にランク入りを果たしています。

2016年に入ると、6月20日には古谷裕樹選手との8回戦で5回TKO勝ちを収めるなど順調にキャリアを積んでいましたが、6月29日付けのJBCランキングでは一時的にランク外となりました。そして同年10月11日、デビュー戦の相手である高橋竜平選手と約3年ぶりに再戦。この試合は8回判定までもつれ込みましたが、0-3の判定で惜しくもプロ初黒星を喫しました。

敗戦からの再起を目指し、2017年3月4日にはクルンシン・ガオラーンレックジム選手に4回TKO勝利。そして同年8月23日、日本ユース初代王座決定トーナメントのバンタム級決勝に駒を進め、中村祐斗選手を8回TKOで破り、初代日本バンタム級ユース王者という新たなタイトルを獲得しました。このタイトルは防衛することなく返上となっています。

2018年1月11日には、リングネームを本名の武田航から「中川抹茶」へと変更しました。同年4月には日本ユース王座の初防衛戦が予定されていましたが、相手選手の計量失格により試合は中止となっています。その後もリングに上がり続け、2019年5月10日には千葉開選手に判定負けを喫するなど、キャリアの中でいくつかの試練を経験しました。

2020年12月14日には諏訪亮選手に判定勝ちを収めましたが、翌2021年2月11日にはJBCに引退届を提出し、一度現役を退いています。しかし、リングへの情熱は消えることなく、同年12月14日、諏訪亮選手との再戦で現役復帰を果たしました。

復帰後も試合を重ね、2024年3月15日にはフェザー級で英洸貴選手と戦い、判定は三者三様の引き分けという結果に終わっています。

プロボクサーとしての通算戦績は22戦18勝（6KO）2敗2分を記録しています。全日本・東日本新人王、そして初代日本ユース王者といったタイトル獲得の実績を持つ実力者として、ボクシングキャリアを歩んでいます。

もう一度検索