中心市街地(ちゅうしんしがいち)
中心市
街地は、
都市の中心に位置している地域であり、商業や行政の機能が集約されています。このエリアは、昼間人口が集まることが特徴で、
オフィス街や繁華
街、さらには
歓楽街など、様々な
都市機能が揃っています。このため、
中心業務地区(CBD)とも呼ばれることがあります。
日本の大
都市圏では、中心市
街地は主に
ターミナル駅や
地下鉄駅周辺にいくつか存在し、地方
都市の場合は旧城
下町周辺に形成されることが一般的です。しかし、
モータリゼーションや
郊外への人口移動の影響により、地方
都市の中心市
街地は衰退傾向にあります。この課題に対処するため、
少子高齢化の進行と相まって、自治体が中心市
街地の活性化に向けた取り組みを進めています。
近年、
コンパクトシティの実現を目指す動きが広まり、
都市観光や「歩いて暮らせるまち」の提案などが行われています。また、地価が高騰する中で、
ドーナツ化現象が起こり、中心市
街地の人口は減少していましたが、タワーマンションの
建設などによる
都心回帰の現象も見られるようになり、一部の地域では中心部の人口が増えています。
日本の中心市街地の沿革
日本の多くの地方
都市では、かつては職住が混在し、人口や雇用が中心部に集まっていました。
高度経済成長期には
郊外の一戸建てを望む動きが強まり、中心市
街地から人々が
郊外へ移動しました。これにより、人口集中地区が拡大し、いわゆる
ドーナツ化現象が進行しました。1980年代には、商業機能が
郊外にシフトし、小売業やサービス業も中心市
街地から離れ始めました。
バブル経済の崩壊後、消費傾向の変化や支店の縮小が進み、多くの
都市で空き店舗や
シャッター通りが目立つようになりました。1990年代末からは、東京圏で業務空間の再編やマンション開発が進み、人口や産業が再び中心部へ戻るという「
都心回帰」が見られるようになりました。更に、2000年代以降には地方
都市でもタワーマンションの開発が行われ、
都心回帰の傾向が生じています。
国土交通省(旧
建設省所管)が示す
都市政策には、市
街地の
まちづくり活性化を目指した基本方針が含まれています。これには、総合的で計画的な
都市整備の推進、
都市基盤
施設の整備、住
環境の向上、地域の意見を反映した具体的な
まちづくりビジョンの作成などが挙げられます。また、
緑地の保全や良好な
都市景観の形成に向けた施策も推進されています。
さらに、
都市の
防災構造化や民間の活力を活用した
都市開発も重要な方針とされています。地域の経済や社会の変化に適応した
都市整備が求められ、特定商業集積の整備を通じて商業地域の発展を支援する取り組みも行われています。
海外の中心市街地の例
ラテン・アメリカでは、中心部には
広場が設けられ、その周りに教会や
役所が配置されるのが一般的です。中心から離れるほど貧しい地域が形成される傾向も見られます。このように、中心市
街地は地域の社会経済的な状況や文化に応じて形作られているのです。
中心市
街地は、
都市の活力の象徴とも言える存在です。地域が直面している課題や取り組みを理解することで、より良い
まちづくりの方向性が見えてきます。これからの
都市の発展には、仕組みを見直しつつ、持続可能な発展を目指していくことが求められています。