中恭太

中 恭太（なか きょうた）

中 恭太（1975年9月26日生まれ）は、日本の元お笑い芸人であり、かつて吉本新喜劇の座員として活躍しました。本名は貴田 恭太といいます。大阪府大阪市鶴見区の出身です。活動当時は、よしもとクリエイティブ・エージェンシー（現 吉本興業株式会社）に所属していました。

人物と経歴

中恭太は、大阪市立鶴見小学校、大阪市立緑中学校を経て、大阪市立都島工業高等学校を卒業しています。お笑いの道に進む前、彼は劇場での裏方として経験を積みました。具体的には、なんばグランド花月（NGK）の舞台進行係を務めていた時期があります。この劇場スタッフとしての経験が、その後の芸人活動に繋がったと考えられます。

芸人としてのキャリアは、吉本興業の養成所であるNSCの第16期生として始まりました。NSCを卒業後、NGKの舞台進行係を経て、1998年に吉本新喜劇の座員として正式に入団しました。

吉本新喜劇での活動

吉本新喜劇において、中恭太は主に脇役や端役として舞台に立ちました。ストーリーの根幹に深く関わる役どころは少なかったものの、その存在感は舞台のアクセントとなりました。特に印象的だった役柄の一つに、同じく座員のたかおみゆきと組んで演じた「不細工カップル」役があります。このような、見る者に強い印象を残すキャラクターを演じるなど、与えられた役柄を器用にこなし、新喜劇の舞台に多様な彩りを添えました。そのユーモラスな演技は、観客を楽しませ、新喜劇になくてはならない存在として重宝されました。

彼が登場するシーンでは、しばしば共演者とのコミカルな掛け合いが生まれました。特に、大島和久とのやり取りは一部で知られています。例えば、ある舞台で大島和久がゲイであることを明かしているにも関わらず、その女性の恋人役の目の前で親密な様子を見せるという設定がありました。2005年12月3日に放送された辻本茂雄座長公演の「花月病院恋愛科」では、大島から「（よりを戻すために）ほっぺにキスして」とねだられ、実際に頬にキスをしたところ、中恭太本人が本気で照れてしまうという一幕がありました。その際、耳まで赤くなったことを見逃さなかった辻本茂雄に「自分、耳赤くなってんで」と鋭くツッコまれ、客席の笑いを誘いました。

また、舞台上で自身の身体的な特徴をネタにすることも稀にありました。あまり披露する機会は多くありませんでしたが、体の柔らかさをアピールする場面が見られたほか、「顔がでかい」といじられることもありました。これは新喜劇における愛されキャラとしての側面を示すエピソードと言えるでしょう。

現在の状況

しかしながら、中恭太の吉本新喜劇での活動は長くは続きませんでした。2010年1月頃を最後に、彼は新喜劇の舞台に姿を見せなくなりました。その後、所属していた吉本興業の公式サイトからも、芸人としてのプロフィールが削除されていることが確認されています。これらの状況証拠から、現在、中恭太はお笑い芸人としての活動を事実上休止、あるいは引退しているものと見られています。ただし、本人や所属事務所から公式な形での引退発表や活動終了に関する声明が出されていないため、その詳細な状況については不明な点も残っています。

短い芸歴ではありましたが、中恭太は吉本新喜劇の一員として、その独特なキャラクターと演技で観客に笑いを届けました。特に脇役としての存在感は、新喜劇の多様な笑いを支える重要な要素でした。彼の舞台での姿を記憶するファンも少なくないでしょう。

（注：活動当時の公式ブログ「よしもと新喜劇　中恭太の『なかなブログ』」は、現在インターネットアーカイブにて一部閲覧可能です。）

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