中日新聞北陸本社

中日新聞北陸本社の概要と歴史

中日新聞北陸本社は、日本の主要な新聞社である中日新聞社の地域本社として、石川県金沢市に位置しています。この地域本社は、石川県と富山県を主な対象地域とし、『北陸中日新聞』を発行しています。中日新聞東京本社の姉妹紙であるため、地域に根ざしながらも、全国的な視点でニュースを提供しています。

設立の背景

中日新聞北陸本社は、北國新聞社が戦時体制に入ったことから一時休刊した越中新聞を1946年に復刊したことに端を発します。この復刊は『富山新聞』の名称で行われ、その後、1952年に北日本新聞社が石川県で『北陸新聞』を創刊しました。しかし、この新聞は経営難に直面し、地元百貨店である大和が経営を引き継ぎました。

その後、1960年に中部日本新聞社が北陸新聞と業務提携を結び、同年11月1日には『北陸中日新聞』に改題されました。さらに、1967年には旧北陸新聞社を前身とする中日新聞北陸本社が発足し、北陸中日新聞の発行元となりました。

拡張と発行地域

北陸中日新聞は、もともと石川県を中心に発行されていましたが、次第に富山県と福井県への販路も拡大しました。ただし、福井県は1992年に中日新聞社が『日刊福井』を買収した影響で、1994年からは福井支社が『日刊県民福井』を発行しています。そのため、現在、北陸本社は主に石川県と富山県を対象地域としているのが特徴です。

特に夕刊は石川県内でのみ発行されていますが、富山県の一部地域や富山県が発行していない福井県の一部地域でも流通しています。

出版と印刷

北陸本社には、東京新聞のような独自の出版部門は存在しませんが、中日スポーツの印刷は名古屋本部が担当し、金沢で印刷・発行されています。金沢での印刷開始時には、一面に「金沢印刷版」との表記が行われたこともあります。

2016年には、北陸本社工場において輪転機の更新を行うため、競合の北國新聞社で印刷を委託することが決定されました。このため、富山県向けの北陸中日新聞と中日スポーツが北國新聞臨時工場で印刷されることとなりました。また、石川県向けの朝夕刊は従来どおり北陸本社の工場で印刷され続けています。

本社・支局・印刷工場

中日新聞北陸本社の所在地は、金沢市駅西本町二丁目です。2010年に金沢中日ビルから移転し、現在の本社が位置しています。支局は小松、白山（旧称・松任）、七尾、富山、高岡と広範囲に展開し、地域の報道体制を支えています。

印刷工場は金沢市北安江にある幸工場で、2011年以降、朝日新聞の委託印刷も行っています。これにより、地域の情報を迅速に届ける体制が整えられています。

まとめ

中日新聞北陸本社は、地域に密着した報道を続ける一方で、広域なニュースをカバーし、多くの読者に信頼される情報源としての役割を果たしています。北陸中日新聞や日刊県民福井を通じて、地域社会の情報を正確かつタイムリーに提供し続けているのです。

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