中日高速オフセット印刷

中日高速オフセット印刷株式会社の概要

中日高速オフセット印刷株式会社（ちゅうにちこうそくおふせっといんさつ）は、愛知県名古屋市北区に本社を構える印刷会社です。親会社である中日新聞社は、新聞のカラー印刷において業界で先駆的な役割を果たし「カラーの中日」として知られています。この印刷技術の当初は凸版方式で行われていましたが、その限界を認識した中日新聞社の経営者たちは、オフセット印刷にシフトする決断を下しました。

1966年2月、同社は三菱重工三原製作所に対して第1号のオフセット印刷機を発注しました。当時の中日新聞社は東京新聞との連携に力を入れており、オフセット印刷に関しては、中日新聞社を中心に、関連企業との共同出資により新会社を設立することになりました。こうして1966年7月16日に「中日高速オフセット印刷株式会社」として正式に登記されました。

設立当初は名古屋市中区丸の内三丁目に本社を構え、印刷工場は南外堀町の旧税務講習所の木造校舎を改造して設置されました。この場所は、高速多色オフセット印刷の先駆けとされ、一大転機を迎えることとなりました。1966年12月8日には営業印刷を開始し、翌1967年1月1日には中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞の新年号を印刷しました。

その後、この工場は日本で唯一の新聞オフセット印刷工場となり、他地域の新聞社やメディアから次々と発注がありました。これに伴い、印刷機の増設が進み、業務は好調に推移しました。1969年には本社および工場を名古屋市北区七夕町に移転し、新設された中日新聞社の本社から近い場所を取得することができました。しかしこの土地は地下鉄名城線建設工事や大津通拡幅用地の影響を受け、仮設本社が設置されるなどの難しさがありました。

2008年4月には中部経済新聞社の自社印刷終了に伴い、同社の印刷業務が委託されることが決まりました。同年度の夏には、名タイ印刷から聖教新聞と公明新聞も移管されることとなり、業務はさらに拡大しました。2018年12月には新しい辻町南工場が名古屋市北区辻町2丁目に完成し、操業を開始しました。

2024年1月には、資本金の減資が発表され中小企業扱いとなる中、3月に中部経済新聞社のゲンダイ事業からも撤退することになります。

中日高速オフセット印刷株式会社は、長年にわたり日本の新聞印刷業界において重要な役割を果たしてきました。今後も新たな挑戦を続けることでしょう。

もう一度検索