中朝商民水陸貿易章程

中朝商民水陸貿易章程について

1882年（明治15年）10月、清国と李氏朝鮮の間で締結された中朝商民水陸貿易章程は、清国による朝鮮の属国としての地位とその影響力を明らかにした重要な条約です。この条約は、朝鮮が清国の「属国」として recognizedされ、その結果、朝鮮への清の支配が強化されることとなりました。

背景

この章程が最初に結ばれた背景には、1882年に発生した壬午軍乱の影響があります。この混乱の終息と共に、清の光緒帝は朝鮮の実権を掌握するため、興宣大院君を拘留し、3,000名の軍を漢城府（現在のソウル特別市）に駐留させました。このようにして、清国は再び朝鮮に対する宗主権を強化し、朝鮮国内では高宗とその王妃閔妃が清国に依存した政治を推進していました。

条約の内容

1882年10月4日、河北省の天津で結ばれたこの章程は、清国と朝鮮の間の現代的な形式を持つ初の条約と見なされています。しかし、その文言には、清の朝鮮に対する宗主権が明示され、属国支配の実態を反映させたものでした。

条約の前文では、朝鮮が清国の「藩封」とされることが明文化されており、この条約は清国が朝鮮という属国に特別な優遇措置を施す意図を持つものであることが明示されています。基本的に、朝貢関係が変わらないことが示され、中国の属邦として特別扱いされることを明確にされています。このため、他の国は最恵国待遇を持ってしても、朝鮮との貿易において同様の利益を享受することはできません。

この約定により、清国は属国である朝鮮に対して恩恵を施す存在であると位置づけられており、具体的には、朝鮮人が北京での商業活動を行うことが可能である一方で、清国人も漢城や楊花津で同様の権利を保持するとされました。この条項は他国との通商条約には見られない独自のものであり、実質的に清国が朝鮮の貿易における特権を独占することを意味しています。

さらに条約の第一条には、清の北洋大臣が朝鮮国王と同格であることが規定されており、これは明らかに清国の優位を示すものでした。1884年には、この章程が改訂され、内地通商権がさらに広がることとなります。

結論

中朝商民水陸貿易章程は、清と朝鮮間の関係を近代的な観点から見ても大きな影響を与えた形式的な条約でしたが、その実質においては朝鮮の自主性を大きく制限するものでありました。歴史的に見ても、この条約は朝鮮が清国の影響下に置かれることを助長し、以降の様々な国際関係にも多大な影響を及ぼしました。

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