中本マリ

中本マリ

中本マリ（なかもと マリ、1947年3月26日 - ）は、日本のジャズ、フュージョン、ポピュラー歌手として知られています。その歌声は多くのファンを魅了し、日本の音楽シーンに大きな足跡を残しています。

略歴

宮城県仙台市に生まれた中本マリは、幼少期から音楽に親しみました。3歳でピアノとクラシック・バレエを始め、10歳で東北児童合唱団に所属するなど、早くから音楽的な才能を開花させました。その後、東邦音楽大学付属高校声楽科に進学し、本格的に声楽を学びました。

高校在学中には、ワタナベプロ所属の4人組女性コーラスグループ「ザ・スカーレット」でプロとしての活動を開始。1970年、ジャズ・ヴォーカルに転向し、赤坂の高級クラブ「VIPA ROOM」で歌い始めました。1973年には、『アンフォゲタブル』でソロデビューを果たし、スリー・ブラインド・マイス レーベルで3人目の女性ジャズシンガーとして注目を集めました。

1978年には、スイングジャーナル誌の読者人気投票でボーカル部門第1位を獲得し、以降8年連続で首位を独走。高橋達也と東京ユニオンと共にモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演するなど、国際的な舞台でも活躍しました。1979年には、『アフロディーテの祈り』でスイングジャーナル誌 ジャズ・ディスク大賞 特別賞を受賞。

1980年代以降も、音楽活動は多岐にわたりました。1980年には三百人劇場にてモノローグ・ドラマに出演。1981年には、『ジャズ・タイム』（TBSラジオ）でパーソナリティを務めました。1982年には、『本牧めるへん』（銀座みゆき館劇場）に出演。1985年には、水島早苗ジャズヴォーカル賞（現・日本ジャズヴォーカル賞）第1回グランプリを受賞。1987年には、『メモリーズ』を発表。

1990年代には、社会貢献活動にも積極的に参加しました。1990年、『オール・ジャパン・ジャズ・エイド』を発起し、日韓友好『ソウル・ジャズ・トレイン'90』で日野皓正、ジョージ川口らと共演。東京アムラックスで、ジョージ・ベンソンとも共演。1991年には、『ヴォイス』でスイングジャーナル誌 第25回ジャズ・ディスク大賞 日本ヴォーカル賞を受賞。『NewYork City All Stars ジャパン・ツアー'91』で、ドン・フリードマン・トリオと共演。1992年には、6年ぶり9回目となるスイングジャーナル誌 読者人気投票でヴォーカル部門第1位に輝きました。1995年には、阪神・淡路大震災のチャリティーコンサートを発起し、レジー・ワークマン・トリオと全国ツアーを行いました。

2000年代以降も、精力的にアルバムをリリースし、ライブ活動も継続しています。2003年には音楽活動35周年記念アルバム『NADECICO』を発表。2012年には、ギターとのDuoアルバム『Morning Star』をリリース。2023年には、1970年代-80年代のオリジナルナンバーを再録音したベスト盤『MUSE1』を発表しました。

中本マリは、その卓越した歌唱力と音楽性で、日本のジャズシーンを牽引してきただけでなく、社会貢献活動にも積極的に取り組むなど、その人間性も高く評価されています。

もう一度検索