中本茂樹

中本 茂樹

中本 茂樹（なかもと しげき、1957年6月11日 - ）は、徳島県美馬市出身の元プロ野球選手（投手）、コーチ。

経歴

徳島県立徳島商業高等学校でエースとしてチームを牽引した。高校卒業後、同志社大学に進学し、硬式野球部に所属。関西六大学野球リーグでは、主戦投手として1978年秋季リーグと1979年秋季リーグの二度の優勝に貢献した。

特に1978年秋の明治神宮野球大会では快進撃を見せ、準決勝では岡田彰布を擁する早稲田大学を、決勝では松沼雅之がエースを務める東洋大学をそれぞれ破り、チームを大学選手権初優勝へと導いた。この活躍が認められ、1979年には第8回日米大学野球選手権大会の日本代表に選出されている。リーグ戦通算では54試合に登板し、31勝9敗、211奪三振、防御率1.49という優れた成績を残した。また、記者クラブ賞を二度、ベストナインを二度受賞するなど、個人としても高く評価された。大学の同期には、後にプロ入りする島田芳明がいた。

大学卒業後は、社会人野球の強豪・日本生命に入社。野球部でプレーを続けた。1980年の日本選手権では、チームは準々決勝まで進出。松下電器との試合では、長谷部優と投げ合う熱戦を展開したが、9回裏に逆転サヨナラ負けを喫した。同年には世界アマチュア野球選手権（現在のワールドカップ）の日本代表にも選ばれた。この大会では、優勝をかけたキューバとの試合で先発のマウンドに上がった。長谷部優、竹本由紀夫といったリリーフ陣が無失点で継投したが、竹本が本塁打を浴びてしまい、0対1で惜しくも敗戦。日本は3位となった。1981年の都市対抗野球大会では、1回戦でリッカーと対戦。相手先発の中西清起と投げ合ったが、試合には敗れている。

1982年オフに、ヤクルトスワローズからドラフト外で指名を受け、プロ入りを果たした。

プロ入り後は、主にリリーフ投手としてチームを支えた。1984年には38試合に登板するなど、中継ぎや抑えとして起用された。その後も救援投手としてブルペン陣の一角を担った。

1988年からは、シーズン途中の5月から先発投手として起用されるようになった。同年6月7日に行われた読売ジャイアンツ戦（郡山開成山球場）では、プロ入り後初の完投勝利を記録している。続く1989年も先発ローテーションの一員として活躍を見せた。しかし、1990年には再び救援投手としての起用が中心となった。1992年シーズン限りで現役を引退した。

現役引退後は、指導者として野球に携わった。1995年には台湾プロ野球の俊国ベアーズで投手コーチを務めた。1999年には同じく台湾プロ野球の統一ライオンズの投手コーチに就任し、5年間にわたり指導にあたった。2004年には誠泰の投手コーチとなったが、翌年シーズンの序盤で退団している。

その後、2006年には読売ジャイアンツの球団職員となり、アジア地域担当スカウトに就任。さらに2008年から2011年までは、スカウト業務と並行して育成担当コーチも兼任し、若手選手の育成にも尽力した。

詳細情報

記録

初登板：1983年9月13日、対広島東洋カープ21回戦（明治神宮野球場）、5回表に3番手で救援登板、2回2失点
初勝利：1983年10月4日、対阪神タイガース21回戦（阪神甲子園球場）、7回裏に2番手で救援登板・完了、2回無失点 ※9回表二死降雨コールド
初セーブ：1983年10月7日、対中日ドラゴンズ25回戦（明治神宮野球場）、8回表一死に2番手で救援登板・完了、1回2/3無失点
初完投勝利：1988年6月7日、対読売ジャイアンツ7回戦（郡山開成山球場）、9回2失点

背番号

20（1983年 - 1992年）
71（1995年）
73（1999年 - 2002年）
83（2003年）
75（2004年 - 2005年）
115（2008年 - 2010年）
* 104（2011年）

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