中村憲

中村憲（なかむら けん）

中村憲は1989年9月27日生まれ、京都府宇治市に出身する元プロ野球選手（外野手）であり、現在は野球指導者としても活躍しています。彼の妹である中村香澄もプロ野球選手として知られており、まさしくスポーツ一家と言える背景を持っています。

経歴

プロ入り前

中村は京都すばる高等学校に通い、そこで投手としてのキャリアをスタートしました。高校に入学した当初は、投手の経験は全くありませんでしたが、チームの構成上、背の高い中村が目を付けられ、白羽の矢を立てられることになりました。彼は外野手としての才能も持ち合わせており、50mを5秒9で走る俊足さと、1年生の時には打撃センスを発揮し4番打者として起用されたことが特徴です。高校では通算26本のホームランを記録しています。

彼の高校生活最後の夏、京都大会では決勝戦まで進出しましたが、残念ながら京都外大西高との試合で1-2と敗北し、甲子園出場のチャンスを逃しました。2007年、高校生ドラフトで広島東洋カープから4巡目で指名され、2500万円の契約金と460万円の年俸で契約しました。

広島時代

広島に入団後、中村は腰痛や怪我に悩まされ、投手として一軍での登板は果たせませんでした。ウエスタン・リーグでは2008年に9試合で1勝2敗の成績を記録していますが、2009年は実戦登板の機会がないままでした。2010年、球団から支配下選手契約の解除が通告された際には、投手から外野手への転向を提案され、その後フェニックス・リーグでの好調を経て育成選手として契約を結びました。背番号は「122」に変更されました。

2011年の6月から外野手に転向した意思決定は、その後のキャリアの転機となりました。転向後はウエスタン・リーグで25試合出場し、打率.263を記録します。2012年7月には支配下登録選手として復帰し、背番号を「99」に変更しました。その年は68試合に出場し、打率.279、12打点という成績を記録しましたが、一軍公式戦には出場できませんでした。2013年は打率.259、2014年には打率.339、2本塁打を記録しましたが、いずれも一軍でのプレーは叶いませんでした。2015年には打率.333を残したものの、10月に球団から戦力外通告を受け、広島を退団することになりました。

現役引退後

広島を退団してから、中村は2015年11月に12球団合同トライアウトに打者として参加しましたが、現役引退を決意しました。以降は一般企業に勤務しながら、福山ローズファイターズでプレーする意思を示しています。福山では創部1期生として活動しており、エブリイ緑町店にて働く傍ら、地域のアマチュア野球を支えています。2023年10月からは福山ローズファイターズの下部組織で中学硬式野球チーム「福山ローズファイターズ ヤング」のコーチに就任し、後進の指導にあたっています。

選手としての特徴

中村は投手時代において最速140km/hのストレートやスライダー、カーブ、フォークを駆使していました。186cmの身長を活かしたフォームでボールの出所を見えにくくする技術が特徴的です。また、外野手に転向後もバッティングを磨き、ウエスタン・リーグでは時折長打を放つ場面も見受けられました。妹の香澄も、日本女子プロ野球リーグで活躍しており、兄妹でのプロスポーツ選手は日本でも数少ないケースとなります。

なお、背景を通じて見ると、中村憲のキャリアは多くの困難と挑戦がありましたが、それに立ち向かって新しい道を切り開いていく姿勢が感じられます。

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