中村政美

中村政美（なかむら まさみ）

中村政美は、1924年4月8日に長崎県で生まれたプロ野球選手です。1945年1月29日に20歳という若さで戦死しました。

来歴

長崎商業学校（現・長崎市立長崎商業高等学校）在学中には、投手として甲子園を目指し、1941年夏の甲子園長崎県大会に出場。決勝で鎮西学院を下し、見事優勝を果たしました。しかし、その後の北九州大会及び本大会は、戦局悪化のため中止となってしまいました。

1943年、中村は東京巨人軍（現・読売ジャイアンツ）に入団。背番号は「34」を与えられました。この背番号「34」は、後に金田正一が着用し、1970年4月2日に永久欠番となりましたが、実は、巨人軍で初めて「34」を付けたのは中村政美だったのです。

当初は投手として入団した中村でしたが、戦況の悪化により、次々と選手が応召。巨人軍も例外ではなく、深刻な選手不足に陥っていました。そのため、中村は野手（主に三塁手）としての出場機会が増えていきました。

10代という若さでプロの世界に飛び込んだ中村は、当初こそ苦労したものの、1943年のシーズン終盤から徐々に頭角を現し始めます。そして、1943年11月7日、シーズン最終戦となる対阪神戦（後楽園球場）で、初めて4番打者として起用されました。これにより、中村は巨人軍第10代目の4番打者となったのです。

翌1944年シーズンには、開幕戦を含む26試合（全35試合中）で4番を任されました。戦時中の物資不足により、公式球の品質が著しく低下していた時代でしたが、打率.220、本塁打1本という成績を残しています（ちなみに、この年の本塁打王は、金山次郎（産業）の3本）。また、シーズン中盤には、右翼手としても出場しています。

しかし、1944年シーズン終了後、中村は応召。翌1945年1月29日、戦死しました。享年20歳。東京ドーム敷地内にある鎮魂の碑には、彼の名が刻まれています。

詳細情報

背番号
34（1943年）
1944年は、全球団で背番号制度が廃止

関連項目

読売ジャイアンツの選手一覧
* 読売ジャイアンツ歴代4番打者一覧

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