中村淑子

中村淑子（なかむら よしこ、旧姓：香山、1910年11月23日 - ）は、昭和期に活躍した日本の声楽家、歌手です。

兵庫県神戸市に生まれた中村淑子は、東京音楽学校で声楽を学びました。1934年（昭和9年）にビクターレコードからデビューし、その歌声は多くの人々に親しまれました。特に、共演盤である「愛国行進曲」や「日の丸行進曲」は、当時の時代背景も相まって広く知られることとなりました。

歌手活動と並行して、中村淑子は藤原歌劇団の舞台にも数多く出演しました。彼女の卓越した歌唱力と表現力は、オペラの舞台でも高く評価されました。以下は、彼女が出演した主な舞台公演です。

主な舞台出演

1939年3月26・27日、4月28・29日：藤原歌劇団公演『カルメン』ミカエラ役（歌舞伎座）
1941年6月27・28日：藤原歌劇団公演『椿姫』ヴィオレッタ役（大阪歌舞伎座）
1941年11月25-27日：藤原歌劇団公演『カルメン』ミカエラ役（歌舞伎座）

NHK放送歌劇出演

中村淑子は、NHKのラジオ歌劇にも出演し、その歌声を全国の聴衆に届けました。以下は、彼女が出演した主なNHK放送歌劇です。

1940年1月20日放送：『魔笛』夜の女王役
1940年3月24日放送：『魔弾の射手』アガーテ役
1940年4月18日放送：『カルメン』ミカエラ役
1940年6月22日放送：『オルフェウス』エウリディーチェ役
1940年9月28日放送：『ヘンゼルとグレーテル』

中村淑子は、その美しい歌声と舞台での華麗なパフォーマンスで、昭和の音楽界に大きな足跡を残しました。彼女の芸術的な才能は、レコードや舞台、ラジオを通じて多くの人々に感動を与え、現在でもその功績は高く評価されています。

彼女の活動は、戦前・戦中という激動の時代背景と深く結びついており、その歌声は当時の人々の心を慰め、勇気づけたことでしょう。中村淑子の生涯は、日本の音楽史における重要な一ページとして、今後も語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索