中村英雄

中村英雄

中村英雄（なかむら ひでお、1916年5月1日 - 1988年10月22日）は、日本のドイツ文学者。

経歴

広島県広島市に広崎英雄として生まれる。幼少期に両親の離婚を経験し、父方の姓である中村を名乗る。3歳で中国の天津に移り住み、異国での生活を送る。

1941年に早稲田大学文学部独文科を卒業。学生時代には、小林正樹らと共にシナリオ「われ征かん」を執筆。卒業後、陸軍に入隊し、予備少尉として南鳥島で終戦を迎える。

戦後は、恩師である舟木重信を仰ぎ、同人誌に小説を発表。1946年、早稲田大学附属早稲田第一高等学校の専任講師となる。1949年には日本共産党に入党し、左翼的な活動に身を投じる。

その後、早稲田大学理工学部の専任講師を経て、1951年に助教授、1952年に文学部の助教授、教授へと昇進。1987年に定年退任し、早稲田大学名誉[[教授]]の称号を授与された。左翼的学者として、言論活動や社会運動に積極的に参加した。

著訳書

著書

『ドイツ語の発音』 三修社 ドイツ語文庫、1957
『形容詞・副詞の比較変化 文法』 三修社 ドイツ語文庫、1959
『池上草堂襍記』 角川書店、1989

共編著

『たのしいドイツ文法』 中村浩三共著 大学書林、1961
『入門講座たのしいドイツ語』 中村浩三共著 大学書林、1974
『緑のドイツ文法』 有賀健、大久保忠利、岡田浩平共編 朝日出版社、1974
『緑のドイツ語読本』 有賀健、大久保忠利、岡田浩平共編 朝日出版社、1976
『人間この愛しきもの 舟木重信書簡集』 榎本重男共編 東洋出版、1987

翻訳

『ハイネ選集 第7 ハルツ紀行、北海、ル・グランの書』 舟木重信共訳 解放社、1948
アンデルセン原作『即興詩人』 小峰書店 少年少女のための世界文学選、1951
フリードリッヒ・ヴオルフ『神々の会議』 潮書房、1956
『ドイツのなぞなぞ』 吉住和子（のち鈴木和子）共編 三修社 ドイツ語文庫、1958
クチンスキー『文学・経済学試論』 未来社、1958
「ル・グランの書」ほか『世界文学大系 第78 (ハイネ)』 筑摩書房、1964

記念文集

『手帖のはしに 中村英雄先生追悼論集』 「中村英雄先生追悼論集」刊行会、1991

参考文献

『池上草堂襍記』所載年譜

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