中村鋭一

中村 鋭一

中村鋭一（なかむら えいいち、1930年1月22日 - 2017年11月6日）は、日本の著名なアナウンサー、タレント、政治家として知られています。彼は衆議院議員を1期、参議院議員を2期務め、愛称の「えいちゃん」で多くの人々に親しまれていました。特に「浪速のえいちゃん」と名乗った時期もあり、彼の存在は日本のメディア界において大きな影響を与えました。

来歴

中村は滋賀県栗太郡金勝村（現・栗東市）で神職の父と小学校教員の母のもと、5人兄弟の長男として生まれました。彼の伯父には衆議院議員や滋賀県知事を務めた服部岩吉がいます。幼少期から神社に囲まれた生活を送り、神道が家庭の中心だったため、周囲では「お宮さんのアナウンサー」と呼ばれることもありました。

中村は草津尋常高等小学校を経て、中学校では英語に興味を持ちましたが、理数系の科目には苦手意識を抱いていました。終戦後はアメリカ文化に魅了され、英語の勉強に励む一方で、数学の授業中に内職をするなど、教員とのトラブルもあったようです。1947年に膳所中学を卒業した後、同志社外事専門学校に進学し、特にスポーツ中継に関心を寄せていました。

その後、1950年に地方公務員として草津中学校の英語教員になりますが、暴力的な教師として生徒に笞を振るうなど波乱に満ちた教員生活を送りました。1951年、朝日放送の第1期アナウンサーとして入社し、同年の開局時にニュースを担当。以降は多くのスポーツ中継を担当し、特に阪神タイガースの熱心なファンとして知られていました。

政治家としての活動

1977年に朝日放送を退社し、政治の世界へ進出しました。参議院議員選挙に立候補するも初回は落選。しかし、1980年に行われた選挙では初当選を果たし、議会でのユニークな発言でも知られ、同僚から「不謹慎だ」と非難されたこともあります。1989年には右翼の襲撃を受け負傷するなど、波乱の政治家生活を送りますが、数度の選挙を経て、1996年の衆議院議員選挙で当選を果たしました。

政治家としての活動の傍ら、テレビやラジオのパーソナリティとしても活躍し数多くの番組に出演しました。晩年は政治評論などに力を入れ、人気を博しました。2000年には勲二等瑞宝章を受章し、貢献が認められています。

晩年

中村は引退後もメディアでの活動を続け、しかしパーキンソン病や脳梗塞に苦しみ、2017年には肺炎で入院。11月6日に87歳で他界しました。彼の死去に伴い従四位に叙され、長い間にわたるメディアと政治の両面での影響力を讃えられました。

人物像

趣味は野球、釣り、川柳など多岐にわたりましたが、タバコを好む一方で酒は一切口にしないという独特の嗜好を持っていました。中村はまた、妻との間に二人の娘をもうけています。生涯、神職の家に生まれ育った背景が影響し、彼の人生には一貫した信念があったことでしょう。

中村鋭一は日本のアナウンサー、タレント、政治家として多くの人々に愛され、影響を与え続けた存在です。

もう一度検索