中村香澄

中村 香澄（なかむら かすみ）氏は、1993年5月29日に京都府宇治市で生まれた日本の元プロフェッショナル女子野球選手です。

アマチュア時代の歩み

地元の宇治市立宇治中学校に進学後は野球部に所属し、打撃の中心である4番と、投手を務めるエースとしてチームを牽引しました。次のステージである京都すばる高校では、2年生の冬までフィールドホッケー部に籍を置き、副キャプテンという要職を担いました。同時に、女子硬式野球クラブである大阪BLESSにも所属し、高校生でありながら硬式球での投球練習に励むという二刀流の日々を送っていました。

プロフェッショナルリーグへ

2011年、日本女子プロ野球機構が実施した入団テストに見事合格。同年12月23日に開催された合同コンベンションで、大阪ブレイビーハニーズへの加入が正式に公示され、プロフェッショナル選手としてのキャリアをスタートさせることが決まりました。入団時の背番号は「27」でした。

プロでのキャリアと功績

プロ入り後は、2012年に大阪ブレイビーハニーズでプレーを開始。その後、2013年から2015年シーズン途中までウエスト・フローラ、後にチーム名が変更された京都フローラに所属しました。2015年シーズンの途中で兵庫ディオーネに移籍しましたが、同シーズン終了をもってチームを離れ、プロ野球選手としての現役生活に区切りをつけました。

プロ選手としての活動期間を通じて、中村氏は打撃と守備の両面でチームに貢献しました。特に印象的な記録として、2014年にはリーグ最多本塁打のタイトルを獲得し、その打撃力を証明しました。また、同年のベストナインにも遊撃手として選出され、守備でも高い評価を得ました。

記録面では、2014年6月6日に行われたディオーネ戦で、相手投手の大田秀奈美氏からプロ入り後初となる本塁打を放ちました。さらに、2015年7月31日、淡路佐野第一球場で行われた埼玉アストライアとの対戦において、4回裏に再び大田秀奈美氏からレフト前ヒットを記録し、プロ通算100安打を達成しています。

中村氏がプロキャリアを通じて背負った番号は「27」であり、2012年から2015年まで使用されました。

人物像

ご家族には、広島東洋カープに所属するプロ野球選手である兄の中村憲氏がいます。兄妹でプロ野球選手となったケースは、川端慎吾・友紀兄妹に続き、日本のプロ野球史上二組目という非常に稀有な例として知られています。このような環境に育ちながら、中村氏は「平常心」という言葉を大切にしていたといいます。また、チームメイトなどからは「かすみ」や「しん」といった愛称で親しまれていました。

2015年シーズン終了後にプロ野球選手としての活動を終えた中村氏ですが、その短いながらも輝かしいキャリアの中で、最多本塁打獲得やベストナイン選出といった確かな功績を残しました。兄と共に日本のプロ野球界に名を刻んだ選手として記憶されています。

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