中街道 (下ツ道)

中街道

中街道は、奈良市から橿原市を経由して五條市へと至る街道です。この道は、古代には「下ツ道（しもつみち）」と呼ばれていました。下ツ道は、7世紀中頃に奈良盆地を南北に走る官道として整備され、見瀬丸山古墳を起点に、藤原京の西四坊大路から奈良盆地の中央を北上し、平城京の朱雀大路へと至るルートでした。現在の橿原市から大和郡山市にかけては、国道24号線の西側約250mに並行しています。

古代の下ツ道

古代の下ツ道は、飛鳥・藤原京と平城京を結ぶ主要な道として利用されていました。北は那羅山の平坂を越えて山背道へ、南は軽の丸山古墳から西南へ向かい、巨勢道を経て宇智から紀伊国境の真土山を越え、紀ノ川沿いの木道へと続いていました。しかし、長岡京や平安京への遷都に伴い、下ツ道は次第に衰退し、その一部は寺川などの河道に利用されるようになりました。

近世の中街道

平安京遷都後、平城京が衰退すると、町の中心部は若草山の麓へと移動しました。そのため、かつての下ツ道をたどる道筋も少し東へずれました。近世以降、奈良から櫟本、丹波市を経て桜井に至る道を「上街道」、郡山から高田に至る道を「下街道」と呼ぶようになり、その間に位置する道が「中街道」と呼ばれるようになりました。中街道は、奈良町の西から八木（橿原市）、古瀬（御所市）を経て、北宇智（五條市）で下街道と合流するルートとなり、奈良から八木まではほぼ現在の国道24号線に沿っています。

中街道の経由地

中街道は、以下の場所を経由しています。

奈良市
JR奈良駅
大和郡山市
横田町交差点（付近で「北の横大路」と交差）
西名阪道 郡山IC
天理市
近鉄二階堂駅
磯城郡田原本町
（田原本町内は寺川に沿う）
唐古・鍵遺跡楼閣
田原本町役場
橿原市
近鉄大和八木駅、八木町（横大路と交差）
JR畝傍駅
近鉄橿原神宮前駅
見瀬丸山古墳
近鉄岡寺駅
高市郡明日香村
近鉄飛鳥駅
高市郡高取町
近鉄葛駅
御所市
古瀬（JR・近鉄吉野口駅）
五條市
JR北宇智駅（下街道と合流）

関連事項

大和の古道
上街道 (上ツ道))
中街道（曖昧さ回避項目）
* 下街道 (奈良県))

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