中西親志

中西親志：闘将から指導者へ、ヤクルトスワローズを支え続ける男

中西親志氏は、1960年三重県松阪市生まれの元プロ野球選手である。捕手として1987年、ヤクルトスワローズにドラフト5位で入団。社会人野球・電電東海時代からその実力を発揮し、都市対抗野球や日本選手権で活躍した経験を持つ。

ヤクルトスワローズ入団後は、持ち前の強肩と勝負強い打撃でチームに貢献。1989年には66試合に先発出場し、正捕手の座を秦真司選手と争った。しかし、打撃の非力さと肩の弱さが課題となり、正捕手の座を掴むには至らなかった。

1990年、古田敦也選手の入団により出場機会は減少するも、野村克也監督から信頼された内角を突くリードは、中西氏の持ち味であった。一方で、激しい性格ゆえに、幾度となく乱闘騒ぎに巻き込まれた。その闘将ぶりは、ファンにも強烈な印象を残した。

特に有名なのは、1989年、1991年、1994年と発生した３つの乱闘事件である。1989年の阪神タイガース戦では、味方投手の死球への報復として相手投手に突進。1991年の対中日ドラゴンズ戦では、相手コーチと殴り合い。そして1994年の対読売ジャイアンツ戦では、チームメイトの死球への報復として相手選手と激しい乱闘となり、顔面骨折の重傷を負った。この1994年の乱闘は、中西氏の野球人生におけるターニングポイントの一つとなった。週刊誌で「この試合を最後に一軍出場はない」と報じられたことが誤解を生み、実際にはその後も数試合に出場したにも関わらず、この乱闘が中西氏の引退のきっかけという誤解が現在も存在している。

1994年シーズン終了後、中西氏は一軍出場から遠ざかり、1996年には現役を引退。その後もヤクルトスワローズに残り、1997年から2013年まで一軍バッテリーコーチとして後進の指導に当たった。2017年からはスカウトとして活躍し、2023年のドラフト1位指名選手である西舘昂汰選手など、多くの若手選手の育成に貢献した。

そして2024年、選手寮の寮長に就任。長年の経験と人望を活かし、若手選手の育成、寮の運営に尽力している。選手、コーチ、スカウト、そして寮長と、様々な立場でヤクルトスワローズを支え続ける中西親志氏。その野球人生は、まさに「闘将」と呼ぶにふさわしい、波乱に満ちたものと言えるだろう。

詳細情報

年度別打撃成績
年度別守備成績
記録
初出場：1988年5月15日
初先発出場：1988年5月21日
初安打・初打点：1988年5月21日
初本塁打：1989年9月21日
背番号：33(1988年-1995年)、71(1996年-2013年)

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* 週刊ベースボールONLINE

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