中西麻耶

中西 麻耶について

中西麻耶（なかにし まや、生年1985年6月3日）は、障害を持つアスリートとして日本の陸上競技界で数々の偉業を成し遂げてきた実力派選手です。右脚の下腿を切断した中西は、義足を装着して競技に挑み、北京、ロンドン、リオデジャネイロと、三度のパラリンピックで日本を代表し、数多くの記録を打ち立てました。

初期の経歴

大阪市に生まれた中西は、小学校時代に父の仕事の都合で大分県に移住しました。明豊高等学校ではソフトテニス選手として名を馳せ、インターハイや国体に出場するなどしていましたが、2006年に職場での事故で右脚を切断。事故後、彼女はソフトテニスを続けることが難しくなり、心機一転して陸上競技に転向しました。

2007年には義肢装具士の臼井二美男との出会いがあり、彼の作成した義足でジャパンパラリンピックに出場し、あっさりと日本記録を樹立。その後、2008年には北京パラリンピック日本代表として出場し、100mでは6位、200mでは4位という成績を残しました。

国際舞台での挑戦

北京パラリンピック後の中西は、さらなる高みを目指しアメリカのサンディエゴへと拠点を移し、オリンピック・トレーニング・センターでアル・ジョイナーの指導を受けることになります。2009年には走幅跳でも日本記録を樹立しましたが、当時、障害者選手が海外でのトレーニングを行うことに批判が多かったため、資金面での困難が続きました。

それでも、中西は2012年ロンドンパラリンピックに出場し、100m、200m、走幅跳びでの競技に挑みましたが、結果は思わしくありませんでした。特に、100mでは予選敗退、200mも同様であったものの、走幅跳びでは予選を突破しました。

再起と記録更新

ロンドンオリンピック後、中西は一度引退を考えましたが、2013年に現役続行を宣言し、再び競技に励み始めます。復帰後は自身の懸命な努力が実を結び、2014年にはジャパンパラ陸上競技大会で走幅跳びの日本記録を更新し、優勝を果たしました。2016年にはリオデジャネイロパラリンピックに出場し、走幅跳びで4位入賞を達成しました。

近年の成績

2017年には走幅跳びの世界パラ陸上選手権大会で3位入賞し、国際大会で初のメダルを獲得。その後も2018年、2019年にはアジアパラ大会や世界選手権での優勝や自己ベストを更新し続け、2020年にはアジア記録・日本記録を達成しました。

中西は現在、阪急交通社に所属し、今後のパラリンピックでの活躍が期待されている選手です。彼女は障害を抱えつつも、夢を追い続ける姿勢が多くの人々に勇気を与えています。世界の舞台で戦い続ける中西麻耶の挑戦は、これからも続いていくことでしょう。

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