中谷弘

中谷 弘

柔道家の中谷 弘（なかたに ひろし）は、1967年6月5日に兵庫県で生まれ、2021年にその生涯を終えました。現役時代は95kg超級の選手として活躍し、身長183cm、体重118kgという恵まれた体格を誇りました。中学、高校、大学、そして社会人と各カテゴリーで実績を積み重ねた、日本の重量級を代表する選手の一人です。

経歴

中谷の柔道における才能は早くから開花しました。荒井中学3年時の全国中学校柔道大会団体戦決勝では、のちにオリンピック金メダリストとなる弦巻中学の古賀稔彦選手と代表戦で対戦。体格差を活かした内股で見事に一本勝ちを収め、チームを全国優勝へと導きました。この一戦は、軽量級の天才と重量級の強豪として注目されました。

柔道強豪校である天理高校に進学後も、その勢いは止まりませんでした。1年生で迎えた全国高校選手権の団体戦で優勝。翌年のインターハイ団体戦でも優勝を飾り、高校柔道界のトップチームとして天理高校を牽引しました。3年生時にはインターハイ団体戦は3位に留まりましたが、個人戦の重量級では圧倒的な強さを見せます。決勝トーナメントでは、後にプロレスでも名を馳せることになる八王子高校の小川直也選手を破る快進撃。さらに決勝では日大三島高校の秋山勝彦選手をも破り、見事個人戦優勝を達成しました。

1986年に天理大学へ進学してからも、中谷は学生柔道のトップ選手として活躍を続けます。1年生時には講道館杯の95kg超級で3位に入賞。また、大学柔道の主要大会である優勝大会では、1年生ながらチームの優勝に貢献しました。2年生時の優勝大会では惜しくも2位となりますが、階級無差別で争われる全日本学生選手権でも決勝に進出。しかし、大学の1年先輩にあたる中林千春選手に敗れ、準優勝となりました。3年生時には再び優勝大会でチームを優勝に導きますが、4年生時は3位という成績でした。

大学卒業後、1990年には新日鉄広畑に所属し、社会人柔道家としてのキャリアをスタートさせます。1991年の全日本選手権では、日本の柔道家にとって最高峰の舞台で準決勝まで進出。再び小川直也選手と対戦しますが、崩上四方固で敗れ、3位入賞を果たしました。同年の選抜体重別選手権では決勝に進むも、東洋水産の関根英之選手に敗れて準優勝となります。しかし、国際大会であるホノルル開催の環太平洋柔道選手権大会では優勝を飾り、国際舞台でも実力を示しました。1992年の講道館杯では決勝に進出しましたが、旭化成の下出善紀選手に敗れて準優勝。キャリアの終盤となる1994年には、実業個人選手権で3位に入賞しています。

中谷弘は、学生時代から一貫して重量級のトップ選手として、数々の激戦を繰り広げました。特に中学時代の古賀選手との代表戦や、高校・社会人での小川選手との対戦は、当時の柔道ファンに強い印象を残しています。団体戦、個人戦の両方で頂点を極めたその実績は、日本の柔道史に名を刻むものです。

主な戦績

中谷弘が主に95kg超級で記録した主な戦績は以下の通りです（階級表記のない大会は全て95kg超級）。

1982年 - 全国中学校柔道大会 団体戦 優勝
1984年 - 全国高校選手権 団体戦 優勝
1984年 - インターハイ 団体戦 優勝
1985年 - インターハイ 個人戦重量級 優勝、団体戦 3位
1986年 - 講道館杯 3位
1986年 - 優勝大会 優勝
1987年 - 優勝大会 2位
1987年 - 全日本学生選手権 無差別 2位
1988年 - 優勝大会 優勝
1989年 - 優勝大会 3位
1991年 - 全日本選手権 3位
1991年 - 体重別 2位
1991年 - 環太平洋柔道選手権大会 優勝
1992年 - 講道館杯 2位
1994年 - 実業個人選手権 3位

(出典: JudoInside.com 等)

外部リンク

JudoInside.com 中谷弘 プロフィール

中谷弘の柔道人生は、学生時代から社会人にかけて、日本の重量級柔道の最前線で戦い抜いた記録と言えます。多くの大会で優勝や上位入賞を果たし、後進の目標となる選手でした。

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