中部電力パワーグリッド

中部電力パワーグリッド株式会社

中部電力パワーグリッド株式会社（ちゅうぶでんりょくパワーグリッド）は、日本の一般送配電事業者で、愛知県、長野県、岐阜県（特定の地域を除く）、三重県（特定の地域を除く）、富士川以西の静岡県を供給区域としています。本社は名古屋市にあり、地域内の電力供給を担っています。

会社の設立と歴史

この会社は、2019年に「中部電力送配電事業分割準備株式会社」として設立され、2020年には商号を中部電力パワーグリッドに変更しました。設立当初から、一般送配電事業者としての役割を正式に確立し、中部エリアにおける電力量の送配電を行っています。

事業内容

中部電力パワーグリッドの主な業務は以下の通りです。

1. 送配電網の維持・管理

エリア内に存在する12,000キロメートル以上の送電線や931箇所の変電所、130,000キロメートルの配電線を維持し、発電設備や需給設備を接続します。また、事故や災害時には迅速に復旧作業を行っています。

2. 系統運用

電力系統の周波数や電圧を適切に保つため、発電や送電の状況を常に監視し、必要に応じて電力の発生を制御します。これにより、地域内の電力供給の安定性を確保しています。

3. 託送供給

託送契約者に対して、指定された地点に電気を受け入れると同時に別の地点で供給するサービスを提供し、託送料金を徴収します。この契約者の多くは小売電気事業者です。

4. 最終保障供給

特定の要件を満たさない需要家に対して、電気を供給する役割も担っています。

5. 再生可能エネルギーの買い取り

中部エリア内の再生可能エネルギー発電設備からの電力を固定価格で買い取り、必要に応じて小売業者に卸供給しています。

設備と供給区域

中部電力パワーグリッドの供給区域は、5つの県とその一部で構成されています。社内で管理される設備は、送電線や変電所、配電設備などが含まれ、特に大規模な送電線が整備されています。

主な送電設備

• - 伊勢幹線：三重県松阪市から亀山市に向かう500kVの送電線。大電力を安定して送るための設計。
• - 越美幹線：富山県南砺市から岐阜県に至る500kVの送電線。
• - 名古屋市内の275kV地中送電線：市内での電力供給を管理し、安定的な電力供給を行っています。

近年の動向

最近では、スマートメーターの設置が進み、電力の計測や契約変更が遠隔で実施できるようになりました。また、再生可能エネルギーの発電出力が需給バランスを超える場合には、その出力の抑制が必要となる措置を初めて実施しました。これにより、持続可能な電力供給と環境への配慮を両立させる取り組みが行われています。

中部電力パワーグリッドは、地域の電力供給品質を向上させるために、さらなる設備の強化や新技術の導入を進めており、今後の発展が期待されています。

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