中野木の辻切り

中野木の辻切り

概要

中野木の辻切りは、千葉県船橋市中野木地区に伝わる民俗行事であり、毎年2月初午の日に実施されます。この行事は、地域に古くから伝わる風習を色濃く残しており、1997年（平成9年）に船橋市指定無形民俗文化財に指定されました。

辻切りとは、村や集落の境界、辻（十字路）などで悪霊や疫病の侵入を防ぐために行われる行事であり、その形態や時期は地域によって異なります。中野木の辻切りでは、藁で大蛇を作り、それを神木に巻き付けるという独特の方法が用いられています。

行事は、まず鎮守である八坂神社に地区の住民が集まることから始まります。集まった人々は東西二組に分かれ、それぞれが長さ5メートル半ほどにもなる巨大な藁の大蛇を制作します。完成した大蛇は、神社の本殿前にとぐろを巻くように据えられ、向かい合わせに配置されます。その後、大蛇に御神酒を飲ませる直会が行われ、東西のグループそれぞれ4～5人がかりで大蛇を担ぎ、集落の南西と北東の道路脇にある立木に巻きつけます。この儀式は、集落に災厄が入り込まないようにと祈る意味が込められています。

この辻切りは、その起源を示す確かな資料が1972年（昭和47年）以前には存在しないため、正確な開始時期は不明です。しかし、一説には100年以上前から行われているとされており、中野木の辻切りは、藁蛇の作りが大きく、古い形を今に伝えていると考えられています。船橋市指定の無形民俗文化財でありながら、地元住民以外にはあまり知られていないのが現状です。

行事の詳細

日時: 毎年2月初午の日
場所: 船橋市中野木地区 八坂神社およびその周辺
内容:
東西2組に分かれ、藁で大蛇を制作
完成した大蛇を八坂神社本殿前に設置
大蛇に御神酒を飲ませる直会
大蛇を立木に巻き付ける

交通案内

JR東船橋駅・津田沼駅より徒歩約15分

特徴

大蛇の藁細工が古態を保っている
集落の安寧を祈願する伝統行事

補足

中野木の辻切りは、地域の人々によって大切に受け継がれてきた貴重な文化遺産です。この行事を通して、地域の歴史や文化に触れることができます。

外部リンク

* 郷土芸能（船橋市役所）

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