中野裕之

中野 裕之について

中野裕之（なかの ひろゆき）は、1958年1月22日に広島県福山市に生まれた映像作家、ミュージックビデオ監督、映画監督です。彼は、映像制作における革新者としての地位を築き、日本国内外で数多くの作品を手掛けてきました。現在は、ピースデリック有限会社に所属し、一般社団法人PEACE NIPPON PROJECTの理事も務めています。

学歴と経歴

中野は、広島県立福山誠之館高等学校を卒業後、早稲田大学商学部に進学しました。1980年に、よみうりテレビに入社しCM業務部に配属され、CM制作の基礎を学びました。その後、制作班に移り、深夜番組のコント制作に携わりました。このころ、宮沢章夫や中島らも、竹中直人などと共に多くの作品を手掛けました。

1987年には、日本初のミュージックビデオ制作会社であるタイレルコーポレーションを設立します。1990年には、アメリカのバンドDeee-Liteの「Groove Is In the Heart」が全米4位のヒットを記録。これにより、彼はアメリカのMTVアワードで日本人初のノミネートを果たしました。さらに、今井美樹、GLAY、Mr.Children、サザンオールスターズなど、約200本のミュージックビデオを手がけ、多岐にわたるジャンルのアーティストとコラボレーションを行っています。

ピースデリックと映画制作

1993年に設立したピースデリックでは、“見る側にピースな気持ちにさせる映像”という目標のもと、ミュージックビデオ制作だけでなく、映画製作にも挑みます。1998年の『SF サムライ・フィクション』で映画デビューを果たし、多くの映画祭で高く評価されました。この作品は、第13回高崎映画祭の若手監督グランプリや第53回毎日映画コンクールの新人賞を受賞しています。

2006年には、短編映画『IRON』がカンヌ国際映画祭でヤング批評家賞を受賞し、彼の名声はますます高まりました。2007年には、日本音楽映像製作者協会（JMVPA）を設立し、理事長を務めることで、日本の音楽映像制作における業界発展に寄与しています。

主な作品

ミュージックビデオ

中野の手掛けた代表的なミュージックビデオには、以下のような作品があります：

• - 今井美樹『PRIDE』
• - GLAY『誘惑』『BE WITH YOU』
• - Mr.Children『花 -Mémento-Mori-』『Everything (It's you)』
• - サザンオールスターズ『PARADISE』
• - 布袋寅泰『POISON』『スリル』

映画

彼の映画作品には、次のようなものがあります：

• - 『SF サムライ・フィクション』（1998年）
• - 『TAJOMARU』（2009年）
• - 『FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM』（2014年）

また、短編映画集『男たちの詩』（2008年）では数本の短編をプロデュースし、特に『IRON』は国際的に評価されました。

影響と評価

中野裕之は、ミュージックビデオ制作の草分け的存在として名高く、彼の作品は視覚的かつ音楽的に刺激的な要素を持つことで知られています。その作品は多様性に富んでおり、アーティストの表現を一層引き立てる重要な役割を果たしています。また、彼自身もCM出演を通じて様々なメディアに登場し、幅広いファン層を獲得しています。

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