TAJOMARU

映画『TAJOMARU』の概要

『TAJOMARU』（たじょうまる）は、2009年9月12日に公開された日本映画です。この映画は、監督に中野裕之を迎え、小栗旬が主演を務めています。脚本は市川森一と水島力也が担当し、全国の東急系シネマで上映されました。

原作と背景

本作は芥川龍之介の小説『藪の中』を原作としており、登場人物である盗賊・多襄丸を中心にしたオリジナルストーリーが展開します。映画化の企画は、プロデューサーの山本又一朗が小栗旬が出演した舞台『カリギュラ』に感銘を受け、彼の表現力を映像化することを考えたことからスタートしました。

あらすじ

物語は、畠山家の次男である畠山直光を中心に進行します。直光は兄・信綱や許嫁の阿古姫と平穏な日々を送っていましたが、次期管領職に関する混乱に巻き込まれます。将軍・足利義政は、阿古姫との婚姻によって新たな管領を決定すると宣言しますが、その矢先に大納言一族が死去し、直光の運命は大きく変わってしまいます。

直光と阿古姫は盗賊・桜丸の陰謀によって畠山家を追われ、二人は山中へ逃げ込むことになりますが、そこで多襄丸に襲われるという危機に直面します。直光は多襄丸を殺してしまい、その結果、自らが多襄丸の名を受け継ぐという運命を背負うことになります。

主要キャスト

• - 畠山直光／新多襄丸: 小栗旬が演じる彼は、阿古姫を守るために多襄丸を殺してしまい、その名を受け継ぎます。
• - 阿古: 柴本幸が演じる直光の許嫁であり、直光とともに複雑な運命に絡まります。
• - 猿: 綾野剛が扮する盗賊で、物語の重要なキャラクター。
• - 桜丸: 田中圭が演じる直光の家臣で、盗賊だったが直光と同い年で同情され名付けられました。
• - 道兼: やべきょうすけが演じる盗賊のリーダー。
• - 鷹、鉄: それぞれ須賀貴匡、山口祥行が演じる盗賊たち。
• - 栗山秀隆: 本田博太郎が演じる所司代として畠山家の問題を詮議します。
• - 畠山信綱: 池内博之が演じる直光の兄。
• - 足利義政: 萩原健一が扮する蔭が薄い将軍で、桜丸に目をかけています。

スタッフと音楽

本作のスタッフには、撮影を担当した古谷巧や美術の林田裕至、編集の掛須秀一、音響効果の柴崎憲治などが名を連ねています。音楽は大坪直樹によって創作され、主題歌にはB'zの「PRAY」が使われています。

受賞歴とソフト化

映画の評価は高く、日本[[映画批評家大賞]]では審査員特別男優賞を萩原健一が受賞しました。また、映画のメイキングDVDや通常版、初回限定版セットなど、様々な映像商品が発売されました。

総括

『TAJOMARU』は、複雑な人間関係と運命、そして盗賊の名を巡る悲劇を描いた作品であり、観る者に深い印象を残すものとなっています。芥川作品を基にした新しい視点で表現されたこの映画は、観客に異なる感情を呼び覚ますことでしょう。

もう一度検索