中馬辰猪

中馬辰猪 (ちゅうまん たつい) の生涯と業績

中馬辰猪は1916年2月27日に、現在の鹿児島県霧島市国分で生まれました。彼は、参議院議員であった中馬猪之吉の二男という背景を持ち、政治の世界に足を踏み入れるきっかけが早くから整っていました。彼の学歴は、鹿児島県立加治木中学校（旧制）や第七高等学校（旧制）を経て、1941年に京都帝国大学法学部を卒業するというものでした。

卒業後の彼は、陸軍に入隊し、主計大尉としてインパール作戦に従事しました。この作戦では彼は負傷し、危機に直面しましたが、名誉ある生還を果たしています。この戦争体験が彼のその後の人生にどのように影響を与えたかは計り知れません。

戦後の彼は水産会社の役員や、鹿児島県の煙草耕作連の嘱託などを経て、1949年に第24回[[衆議院議員総選挙]]において、吉田茂が率いる民主自由党公認で旧鹿児島2区から立候補し、見事当選しました。ここでの当選は、彼の政治キャリアの始まりであり、彼は以後10回にわたり国会議員としての地位を保持しました。彼の当選同期には池田勇人や岡崎勝男など、後の日本の政界に大きな影響を与える政治家たちも含まれています。

保守合同を経た後、中馬は佐藤栄作派及び福田赳夫派に所属しました。この時期には運輸政務次官、農林政務次官、そして衆議院地方行政委員長など数多くの要職を歴任しました。1976年には三木内閣の改造によって建設大臣に任命され、彼の政治的立場は一層強化されました。

1979年に行われた総選挙では惜しくも落選し、その結果として政界を引退しましたが、彼の政治家としての功績は多大なものでした。常に「利口な世渡りは嫌いだ」と公言し、政界では常に縁の下の力持ちの役割に徹していた彼の姿勢は、非常に高く評価されています。また、1986年には勲一等瑞宝章を受章する栄誉も得ています。

中馬辰猪は2010年4月18日に94歳で逝去しました。彼の死は日本の政治界から一人の大物政治家が失われたことを意味しており、正七位から従三位に進階するという栄誉も惜しまれました。彼の卓越した経歴と実績は、後世にも語り継がれることでしょう。

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