第24回衆議院議員総選挙

第24回衆議院議員総選挙の概説

1949年1月23日に行われた第24回衆議院議員総選挙は、日本で初めて施行された日本国憲法に基づく重要な選挙です。この選挙は、戦後の日本政治における大きな転換点となりました。選挙前の状況は複雑で、多くの政党が絡む中、特に社会党、民主党、国民協同党の三党連立内閣が成立していましたが、汚職疑惑によってその政権が崩壊しました。特に、昭電疑獄というスキャンダルが致命的な影響を及ぼし、前首相の芦田均は逮捕されました。

選挙の動機

衆議院が解散された背景には、GHQが主導する新政権の動きがありました。反吉田派が民政局のもとに集結し、民主自由党の山崎猛を首班に据えた新政権案が画策されましたが、民主自由党内部の分裂懸念から頓挫しました。この結果、民主自由党は少数与党となり、解散総選挙が避けられませんでした。しかし、選挙の一般的な見通しは厳しく、野党はすでに敗北を予想していました。これにより、政治はますます混沌としていきました。

投票結果

選挙当日に行われた投票の結果、民主自由党が圧倒的な勝利を収め、264議席を獲得しました。これは、政権を支えていた連立政権の不安定さや、腐敗に対する国民の失望が反映された結果とされています。選挙における投票率は74.04％に達し、有権者数は4205万人を超えました。特に、保守政党への支持が集中し、約70％の有権者が民主自由党に投票しました。

この選挙では、共産党も躍進し、議席を4から35に増やすことに成功しました。また、社会党の支持者はその一部が離れ、片山哲や西尾末広といった大物議員が次々と落選しました。特に、共産党は大都市圏での支持を強化し、東京都などでは全選挙区で当選者を出しました。

政治的意義

この第24回衆議院議員総選挙は、後の55年体制において保守と革新の対立軸を形成する前触れとして評価されています。選挙後、安定した政権がスタートし、吉田茂が再び日本の首相に就任しました。

解散の経緯と憲法問題

第2次吉田内閣が解散を決定した際、GHQの見解により内閣に衆議院解散権限がないとされ、憲法論争が巻き起こりました。最終的には、GHQの調停を経て衆議院解散が実現しましたが、この経緯は後に「馴れ合い解散」と呼ばれることになります。

再選挙と最終結果

選挙後に再選挙が行われた新潟2区では、最高裁判所による選挙無効判決を受け、結果的には当落は変わりませんでした。このことからも、第24回選挙の重要性とその影響が長期にわたって続くことが示唆されています。

この選挙は、日本の戦後政治においては欠かせない一歩であり、当時の政治状況や有権者の意識の変化を映し出す重要な出来事として位置付けられています。

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