丸の内ルーブル

丸の内ルーブル

丸の内ルーブル（まるのうちルーブル）は、1987年10月3日に東京都千代田区の有楽町センタービルにて開館しました。2014年8月3日に閉館するまで約27年間、多くの映画ファンに親しまれていた映画館です。この映画館は東映と東急レクリエーションの合弁で設立された株式会社テイ・アンド・テイ映画興行が運営しており、その後は東急レクリエーションが独占的に経営を行いました。また、「TOP&カード提示割引」の加盟店としても知られています。

概要と設立背景

丸の内ルーブルの建設は、有楽町駅周辺の再開発事業の流れの中で決定されました。1978年、古くなった朝日新聞東京本社や日本劇場の再開発計画が進む中、岡田茂東映社長の政治力により、松竹の持つ二つの映画館の権利を奪取しました。これにより、東映は有楽町地区での映画興行の基盤を固めることになります。初めは二館体制での映画館設立が計画されましたが、最終的には一館として開館されたのです。

1980年、岡田は東急レクリエーションの社長に就任し、東映と東急レクは資本提携を結びました。その結果、映画業界での「TYチェーン」と「STチェーン」という二大勢力の競争において、STチェーンの強化を目指す動きが加速しました。1987年の開館時、岡田はその名を「丸の内ルーブル」と付け、オープニング作品に『イーストウィックの魔女たち』を選びました。

重要な出来事とクオリティ

1988年には『ラストエンペラー』が封切られ、劇場の名は瞬く間に広まりました。その後も1992年の『ボディガード』など、さまざまなヒット作を上映しました。施設の特徴としては、豪華なインテリアや一流の設備が挙げられ、「扉を開ければ21世紀」をキャッチフレーズに、来館者を魅了しました。

丸の内ルーブルの内装は、薄紫色の絨毯や外国産の大理石がふんだんに使われたロビー、オーストリア製の巨大シャンデリアなど、映画館の枠を超えた豪華さがありました。このシャンデリアはコンピュータで操作でき、上映時に上下する演出も行われていました。その費用はなんと1億円とも言われています。

また、座席数は470席（車椅子用スペースを含む）で、全席指定席の制度が導入されたのは2005年からでした。入場料金に関して、岡田社長は長らく値上げを行わない方針を貫き、多くの映画ファンの支持を得ました。

衰退と閉館

しかし、再開発の波や経営方針の変化により、映画館もまた時代に翻弄されました。2008年にはテイ・アンド・テイ映画興行が解散し、再び東急レクリエーションの管理下に戻り、館名も元に戻されました。2010年には3Dデジタルシネマシステムも導入されましたが、観客動員数は徐々に減少し、最終的には2014年8月3日に閉館となりました。

閉館後、丸の内ルーブルで使用されていた椅子は東映の直営館に移設され続けています。跡地には新たな娯楽施設が誕生し、映画館としての歴史はひとまず閉じられましたが、丸の内ルーブルが多くの人々に愛され続けたことは、映画史において永遠に刻まれるでしょう。

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