丸の内永楽ビルディング

丸の内永楽ビルディングは、東京都千代田区丸の内一丁目にそびえ立つ高層ビルです。この場所には以前、東銀ビルヂング、三菱UFJ信託銀行東京ビル、住友信託銀行東京ビルの3棟が存在していましたが、2007年に三菱地所、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、住友信託銀行（現 三井住友信託銀行）が共同で建て替え計画を開始し、2012年1月に竣工しました。

この再開発プロジェクトは、民間都市再生事業計画認定事業として進められました。ビルの立地は、北側が永代通り、東側が大名小路、西側が丸の内仲通りという3つの道路に面しており、交通の便が良いのが特徴です。名称は、かつてこの地が永楽町と呼ばれていたことに由来します。以前にも永楽ビルディングという名称の建築物が存在しましたが、現在のビルとは別の場所に位置していました。

建築設計は三菱地所設計が担当し、外観は縦方向を強調したブラジル産の花崗岩のフレームが特徴的です。低層部は丸の内地区共通の高さ31mに揃えられた庇が円柱で支えられており、統一感があります。大名小路側は、三菱東京UFJ銀行側と三井住友信託銀行側で異なるファサードデザインが採用され、それぞれ特徴的な外観となっています。地下1階から地上2階にかけては、飲食店など26店舗からなる商業ゾーン「iiyo!!（イーヨ!!）」があり、賑わいを創出しています。また、丸の内仲通り側には立体的な壁面緑化が施され、春をイメージした植栽がテラスに配置されています。

6階から26階にかけては、各階有効面積960坪の無柱空間のオフィスとなっており、広々とした空間が確保されています。このビルは、特例容積率適用区域制度を活用し、近隣のビルで余っていた容積率を上乗せして建設されました。これにより、都心部での効率的な土地利用が実現しました。

環境性能にも優れており、屋上には太陽光発電システムが設置されているほか、LED照明やIPMモーター、太陽追尾型自動角度調整ブラインドが採用されています。これらの技術により、CASBEE基準Sランクの環境性能を実現しています。また、耐震性についても建築基準法の1.5倍の性能が確保されており、災害時にも安心して利用できます。2013年には、その優れた建築デザインが評価され、第54回BCS賞を受賞しました。

アクセス面では、東京メトロ東西線大手町駅に直結しており、さらに日本工業倶楽部会館・三菱UFJ信託銀行本店ビルの地下を通って東京駅へもアクセス可能です。

主な入居企業としては、三井住友信託銀行本店・本店営業部、三菱UFJ銀行新丸の内支店・東京営業部などが挙げられます。また、産業革新投資機構、夢真、武田バイオ開発センター、アビームコンサルティングといった企業もオフィスを構えています。

丸の内永楽ビルディングは、オフィスワーカーだけでなく、商業施設を利用する人々にも快適な空間を提供しています。その洗練されたデザインと機能性は、都心のランドマークとして存在感を放っています。

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