丸山作楽

丸山作楽（まるやま さくら）

丸山作楽は、天保11年（1840年）に生まれ、明治32年（1899年）に没した、幕末から明治にかけての激動の時代を生きた人物です。外交官、実業家、政治家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に貢献しました。

生涯

丸山作楽は、島原藩士の家に生まれました。幼少の頃から学問に励み、特に平田派国学を修め、勤王思想に傾倒しました。幕末の動乱期には、尊王攘夷運動に身を投じ、国事に奔走しました。

明治維新後、新政府に出仕し、明治2年（1869年）には外務大丞として樺太に出張し、ロシアとの交渉を担当しました。しかし、ロシアの南下政策に対し、強硬な対抗策を主張したものの、政府に受け入れられませんでした。また、佐田白茅が唱えた征韓論に共鳴し、その実行を促しましたが、これもまた容れられませんでした。樺太問題の責任を問われ、外務権大丞に転任となります。

丸山は、同志とともに征韓論を武力で実行しようと企てますが、明治4年（1871年）に計画が発覚し投獄されます。終身禁錮の刑に処せられますが、明治13年（1880年）に恩赦により出獄しました。

出獄後、丸山は自由民権運動に対抗し、忠愛社を結成し、新聞『明治日報』を発行します。明治15年（1882年）には、東京日日新聞の福地源一郎とともに立憲帝政党を結成し、保守的な政治家として活動しました。

明治23年（1890年）には元老院議官に就任し、元老院廃止後は貴族院勅選議員に任じられ、死去するまでその職を務めました。明治32年（1899年）、心臓弁膜炎のため59歳で亡くなりました。

歌人としても才能を発揮し、万葉調の歌を詠みました。その作品は、当時の人々に愛されました。

人物

丸山作楽は、国を思う熱い情熱と、強い信念を持った人物でした。その行動は、時に過激に過ぎることもありましたが、常に日本の将来を真剣に考えていたことがうかがえます。また、保守的な思想の持ち主であり、伝統や秩序を重んじました。

業績

丸山作楽は、外交官、実業家、政治家として、日本の近代化に大きく貢献しました。樺太交渉や征韓論など、重要な外交問題に関与し、日本の国益を守るために尽力しました。また、立憲帝政党を結成し、保守政治の確立に貢献しました。

栄典

1890年（明治23年）6月19日 - 従四位
1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章

参考文献

衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』1990年。
我部政男・広瀬順晧編『国立公文書館所蔵 勅奏任官履歴原書 上巻』柏書房、1995年。

関連項目

島原武家屋敷街 - 上新丁に1861年に丸山作楽が私塾神習処を開設した。

外部リンク

国立国会図書館 憲政資料室 丸山作楽関係文書（ＭＦ：個人蔵）

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