広瀬順晧

広瀬順晧（ひろせ よしひろ、1944年 - 2023年2月6日）は、日本の歴史学者です。専門は日本近現代史であり、駿河台大学名誉教授を務めました。

東京都出身の広瀬氏は、1970年に早稲田大学大学院政治学研究科修士課程を修了後、国立国会図書館憲政資料室に勤務しました。その後、駿河台大学に移り、文化情報学部教授、メディア情報学部教授を経て、名誉教授となりました。

広瀬氏の業績は、著書、訳書、そして特に数多くの歴史資料の刊行に及びます。

著書としては、

岩壁義光・小林和幸共編『史料で透視する近代日本　歴史資料解読入門』（ゆまに書房、2004年）
保阪正康対談共著『昭和史の一級史料を読む』（平凡社新書、2008年）

などがあります。

また、訳書には、

ハーバート・ファイス著『原爆と第二次世界大戦の終結』（南窓社、1974年）

があります。この翻訳は、佐藤栄一、山本武彦、黒柳米司、伊藤一彦との共同作業によるものです。

広瀬氏の最も重要な業績の一つは、数多くの歴史資料の編纂と刊行です。以下にその主なものを挙げます。

野沢鶏一編著『星亨とその時代』（平凡社〈東洋文庫〉全2巻、1984年）
『近代演説討論集』全19巻・別巻（ゆまに書房、1987年-1988年）
季武嘉也・村瀬信一・西川誠共編著『近代日本政党機関誌記事総覧』全2巻（柏書房、1988年）
『牧野伸顕日記』（中央公論社、1990年）
『地方財政概要』全10巻（クレス出版、1991年）
『朝鮮総督府施政年報』全30巻（クレス出版、1991年-1992年）
『日本帝国国勢一斑』全14巻（クレス出版、1994年）
『松本学日記』（山川出版社、1995年）
『勅奏任官履歴原書　国立公文書館所蔵』上・下巻（柏書房、1995年）
『明治前期 地方官会議史料集成　第1期』全8巻（柏書房、1996年）
『太政官期 地方巡幸史料集成』全24巻（柏書房、1997年-1999年）
『太政官期地方巡幸研究便覧』（柏書房、2001年）
『伊集院彦吉関係文書』全2巻（芙蓉書房出版、1997年）
『明治前期地方産業報告書 『興業意見』材料』全14巻・別巻（ゆまに書房、1997年）
『明治前期 地方官会議史料集成　第2期』全6巻（柏書房、1997年）
『影印 原敬日記』全17巻（北泉社、1998年）
『政治談話速記録』全10巻（ゆまに書房、1998年-1999年）
『伊東巳代治日記・記録　未刊翠雨荘日記』全7巻（ゆまに書房、1999年）
『帝国議会 貴族院事務局報告　明治期』全11巻（クレス出版、1999年）
『朝鮮満蒙地誌叢書』全3巻（クレス出版、2000年）
『近代外交回顧録』全5巻（ゆまに書房、2000年）
『拓務省 拓務統計』全4巻（クレス出版、2000年）
『参謀本部歴史草案』全7巻・別冊（ゆまに書房、2001年）
『日本外地銀行史資料』全6巻（クレス出版、2002年）
『全国市町村便覧』全5巻（クレス出版、2003年）
『外務省茗荷谷研修所旧蔵記録　戦中期植民地行政史料　教育・文化・宗教篇』全26リール・別巻（ゆまに書房、2003年）
『外務省茗荷谷研修所旧蔵記録　戦中期植民地行政史料　経済篇』全137リール・別巻4（ゆまに書房、2005年-2009年）
『朝鮮総督府 生活状態調査 地域編』全5巻（クレス出版、2006年）
『田健治郎日記』全7巻（芙蓉書房出版、2008年-2018年）
『日本植民地下の朝鮮研究』（クレス出版、2011年）
『戦争調査会事務局書類』（ゆまに書房、2016年）

これらの資料刊行は、日本の近現代史研究に不可欠な基礎資料を提供し、研究の発展に大きく貢献しました。広瀬氏の業績は、歴史研究者にとって貴重な財産となっています。

広瀬氏は、これらの業績を通じて、日本近現代史の解明に多大な貢献をしました。その研究姿勢と膨大な資料の編纂は、後世の研究者にとって大きな道標となるでしょう。

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