丸山豊

丸山豊について

丸山豊（まるやま ゆたか、1915年3月30日 - 1989年8月8日）は、日本を代表する医師兼詩人として知られています。福岡県八女郡広川町で生まれた彼は、早い段階から文学に興味を持っており、福岡県中学明善校に在学中には、同級生たちと共に同人誌「日時計」を発行していました。

学業と医療の道

丸山は1932年に第一早稲田高等学院に進学しましたが、中退し、医療の道を志すことになります。そして1937年に九州医学専門学校を卒業し、軍医として中国やフィリピン、ビルマで従軍しました。戦後は1946年に久留米市で豊泉会丸山病院を開業。医師としてのキャリアと並行して詩作を続けました。

詩作と文学的貢献

彼の詩の世界は1947年に始まります。同年、安西均や野田宇太郎らと共に詩誌「母音」を創刊し、九州の多くの詩人たちが集まる場を作りました。代表幹事として福岡県詩人会を1966年に設立し、1967年からは西日本新聞の読者文芸で詩の選を担当しました。彼の詩は国内外で高く評価されており、1963年にはアラゴン主宰のフランス文学誌にて「十人の日本詩人」の一人として紹介されました。

彼は福岡の文化活動に積極的に参加し、1973年には久留米市文化章、1974年には西日本文化賞を受賞。最晩年の1989年には日本現代詩人会の先達詩人顕彰を受賞するなど、その功績は広く認められました。

幅広い活動と作詞

医師としての業務のみならず、丸山は作詞家としての才能も発揮しました。久留米大学校歌を手がけたほか、團伊玖磨の合唱組曲「筑後川」や「大阿蘇」、NHK全国学校音楽コンクールの課題曲「水のうた」などの作品も残しています。また、九州朝日放送の取締役や久留米市教育委員も務め、その影響力は多岐にわたりました。

記念と後世への影響

彼の功績を称えるために1992年には「丸山豊記念現代詩賞」が設立され、受賞者には著名な詩人たちが名を連ねています。彼の詩は、後進の詩人たちに多くの影響を与え続けています。

家族と最期

丸山の妻の関子は八尋俊邦の妹であり、彼との家族関係も知られています。1989年8月7日、家族とのヨーロッパ旅行の途中で日本航空機内で倒れ、アンカレッジでその生涯を閉じました。

主な著書

彼の著作には以下のような詩集があります：

• - 『玻璃の乳房 詩集』(1934)
• - 『よびな 詩集』(1935)
• - 『孔雀の寺 詩集』(1947)
• - 『地下水 丸山豊詩集』(1947)
• - 『微安心 詩集』(1989)など。

彼の詩は、戦争や人間の感情をテーマにし、読む者の心に深く響く作品が多数あります。丸山豊の作品や業績は、彼の生前だけでなく、現在においても多くの人々に影響を与えています。

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