丸岡茂樹

日本バスケットボール界を支えた名伯楽：丸岡茂樹

丸岡茂樹は、1952年1月3日、香川県善通寺市に生を受けた。選手として、そして指導者、さらにはリーグ運営者として、長年にわたり日本のバスケットボール界に深く関わり、その発展に尽力してきた人物である。

学生時代から実業団選手へ

彼のバスケットボール人生は、故郷香川県で本格的に始まった。善通寺第一高校に進学し、全国の舞台で頭角を現す。高校最高峰の大会である全国高等学校総合体育大会（インターハイ）ではチームをベスト16に導き、国民体育大会（国体）でも8強入りを果たすなど、学生時代からその才能は輝きを見せていた。高等教育機関として選んだ明治大学では、大学バスケットボール界の中心選手として活躍。当時の強豪校の一つであった明治大学で、全日本大学バスケットボール選手権大会（インカレ）での優勝という輝かしい実績を残している。大学卒業後、実業団チームである豊田通商の一員となり、選手としてのキャリアを続けた。現役時代のポジションはガードであった。

指導者としての飛躍：豊田通商時代

選手としての活動を終えた後、丸岡は指導者の道へと進む。1985年、かつて自身も所属した豊田通商バスケットボール部の監督に就任し、指揮官として采配を振るうこととなった。この監督就任が、彼のキャリアにおける大きな転換点となる。彼は持ち前の手腕と指導力でチームを着実に強化。就任からわずか5年後の1990年には、チームを当時の国内バスケットボール最高峰リーグであった日本リーグ1部へと導くという快挙を成し遂げた。さらに彼は指導者として長くチームを率い、着実に成績を積み重ねていく。そして、長年の努力と経験が実を結び、2004-2005シーズンにはチームを日本リーグ優勝という栄光へと導いた。これは、実業団チームをトップリーグ昇格から優勝へと導いた指導者としての確固たる実績となった。

プロリーグへの挑戦：高松ファイブアローズ

豊田通商での成功を経て、丸岡は新たな挑戦の場を求める。2006年、このシーズンより新たにスタートしたプロバスケットボールリーグ、bjリーグに新規参入した高松ファイブアローズ（現在の香川ファイブアローズ）の初代監督に招聘されたのである。地元香川に誕生したプロチームを率いるという大役を任され、プロリーグという未知の舞台で指揮を執った。2シーズンにわたりチームを指揮したが、その後チームを離れる決断をした。

リーグ運営への貢献と新たな役割

丸岡茂樹のバスケットボール界への貢献は、選手や指導者としての活動にとどまらない。日本のバスケットボールリーグ全体の運営や発展にも深く関わってきた。2009年8月には、当時の国内バスケットボールリーグの一つであったJBL2の実行委員会において委員長を務めることになった。リーグの運営体制の構築や円滑な進行に尽力し、その経験は後の活動に活かされることとなる。2016年、日本のバスケットボール界は大きな変革期を迎える。同年秋に産声を上げた新たなプロリーグ、ジャパン・バスケットボールリーグ（通称B3リーグ）の設立準備から関わり、その初代理事長という要職に就いた。B3リーグの基盤構築、運営体制の確立に尽力し、リーグの立ち上げと発展に貢献した。B3リーグの発展に貢献した後、2021年に理事長の座を退いた。

理事長退任後も、バスケットボール界との関わりは続いた。2022年、2022-23シーズンからB3リーグに新規参入するチーム、湘南ユナイテッドBCのゼネラルマネージャー（GM）として、新たなチーム作りに携わることになった。新規参入チームの編成や運営という難しい役割を担ったが、湘南ユナイテッドBCのGM職については、翌2023年に退任している。

選手として、指導者として、そしてリーグ運営者として、丸岡茂樹は多岐にわたる立場で日本のバスケットボール界に貢献してきた。特に豊田通商における長年の指導とチームを日本リーグ優勝に導いた功績、そしてB3リーグの初代理事長としての役割は、日本のバスケットボール史において特筆されるべきものであると言えるだろう。彼の経験と知識は、今後も日本のバスケットボール界にとって貴重な財産となるだろう。

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