丸栄

株式会社丸栄の概要

株式会社丸栄（まるえい、英: MARUEI DEPARTMENT STORE COMPANY, LIMITED）は、日本の名古屋市中区栄三丁目に本社を構える企業です。1953年にモダニズム建築家・村野藤吾の設計により完成した丸栄本店は、日本建築学会賞を受賞した実績を持ち、歴史的に重要な建物とされています。2018年6月30日をもって、丸栄はその72年の歴史に幕を下ろしました。

歴史

丸栄の起源は、1615年に創業された十一屋呉服店に遡ります。1937年には、他の地元資本家と合弁で株式会社三星が設立され、その後の1943年にこれらの企業が統合し、新たに株式会社丸栄が誕生しました。「栄の地で丸く栄える」という意味を持つこの名前は、名古屋の商業中心地における発展を象徴しています。

丸栄は、特に松坂屋や名古屋タカシマヤといった老舗百貨店と競合しながら、独自のテナント構成によって若年層やミセス層のニーズに応えるなど差別化を図りました。特に女性向けのカジュアルファッションブランドの取り入れは、他にない戦略でした。不況と競争の激化によりビジネスモデルを見直す必要が生じ、2017年にはテナント運営へと業態を転換する方針が発表されました。

業態転換と閉店

2018年には丸栄は、その長い百貨店の歴史を終え、同年の6月に百貨店としての営業を終了しました。更に、会社の経営体制は親会社の興和によって改変が進められ、丸栄ビルは2018年9月から解体が開始されました。解体後の跡地には、新たに「Maruei Galleria」（マルエイ ガレリア）という商業施設が2022年に開業予定です。

丸栄の建物と文化的価値

丸栄本店はその美しいモダニズムのデザインと、戦前からの貴重な歴史の積み重ねにより、名古屋の商業文化における重要なシンボルでした。日本建築学会もこの建物の保存を要望するほど、その文化的価値は高かったと言えます。丸栄の閉店は名古屋の商業中心地における一つの時代の終焉を意味します。

現在と未来

現在、丸栄は法人として存続しながら、社員の数名が経理や外商部門での業務を続けています。興和はこのエリアの再開発計画を進めており、2027年には地域のさらなる活性化を図る予定です。また、マルエイ ガレリアの開設によって、新しい商業機会を地域にもたらすことが期待されています。

旧丸栄ビルという歴史ある場所に新たな風が吹く日を、地域の人々は心待ちにしています。

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