丸池 (湧水町)

鹿児島県湧水町の貴重な水資源：丸池湧水

鹿児島県姶良郡湧水町木場地区に位置する丸池は、霧島山系の伏流水が長い年月をかけて地表に湧き出した水をせき止めて造られた池です。1985年には名水百選に選定され、その水質の良さと豊富な水量から、地域住民にとってかけがえのない存在となっています。

霧島山系の恵み

丸池の湧水は、標高約600メートル付近にある霧島連山栗野岳に降った雨が、地下深く浸透し、長い年月をかけて地中をゆっくりと移動することで生まれています。実に35年もの歳月をかけて涵養された地下水が、1日あたり59,000トンもの量で湧き出しているのです。この驚異的な湧水量は、地域の豊かな自然環境と地下水脈の恵みの証と言えるでしょう。

歴史と役割

1922年、国から払い下げを受けた湧水地は、その後堤防が整備され、1963年には湧水町の重要な水道水源となりました。現在も、生活用水としてだけでなく、周辺農地への灌漑用水としても利用されており、地域社会の基盤を支える重要な役割を担っています。丸池周辺には、近代化産業遺産に認定されている丸池湧水煉瓦暗渠も存在し、歴史的な側面からも注目に値する場所です。

他の霧島山麓の湧水との関係

同じ霧島山麓には、湧水町川添地区にある竹中池という湧水地も存在します。竹中池は、1日あたり約93,000トンもの湧水量を誇り、疏水百選にも選ばれている「筒羽野の疏水」の水源となっています。筒羽野の疏水は、約90ヘクタールもの農地を潤す、重要な灌漑用水路です。丸池と竹中池は、霧島山系の豊かな水資源を示す、重要な拠点と言えるでしょう。

アクセス

丸池へのアクセスは非常に便利です。JR肥薩線栗野駅から徒歩わずか1分という好立地にあるため、電車でのアクセスも容易です。また、九州自動車道栗野インターチェンジからも5分と、車でのアクセスも良好です。

まとめ

丸池は、名水百選にも選ばれた、水質の優れた湧水地です。長い時間をかけて涵養された地下水が、豊かな自然環境の中で湧き出し、地域住民の生活や農業を支えています。周辺には近代化産業遺産にも登録されている煉瓦暗渠などもあり、歴史的にも価値の高い場所です。霧島山系の自然の恵みを肌で感じることができる、貴重なスポットと言えるでしょう。

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