丹下左膳 (1963年の映画)

映画『丹下左膳』の詳細

『丹下左膳』は1963年11月17日に松竹によって公開された時代劇映画で、監督は内川清一郎が務めています。この映画は、同名の人気キャラクター「丹下左膳」を描いた作品であり、丹波哲郎が再び主役として起用されています。丹波は過去にもテレビドラマで丹下左膳を演じた経験があり、今回はその二度目の挑戦となります。

特徴的な演技

この映画において非常に興味深いのは、丹波が自身の身体的な制約を反映させて丹下左膳のキャラクターを新たに解釈した点です。元々、丹下左膳は右手を失っているキャラクターですが、丹波は右手が自分の利き手であるため、彼の申し出により左目に傷を持つ設定に変更され、左手がないという特異な解釈が採用されました。これによって、丹下左膳の物語に新たな深みと独自性が与えられました。

あらすじ

物語は享保十五年の日本を舞台にしています。柳生藩は幕府からの日光東照宮修繕の命令を受け、非常に困難な財政事情に直面しています。このような状況で、藩の人々は一風宗匠という智恵者の助けを求めます。宗匠は、代々伝わる刀が隠し財産の手掛かりであると告げますが、その刀は既に江戸へ引き出物として渡ってしまっています。

源之丞はその刀を取り戻すために江戸へ向かいますが、司馬卜伝は理屈も言わず刀の返還を拒否します。そして、彼は柳生家が勝てば刀を返すと挑発します。しかし、源之丞は試合に勝利し、刀を手に入れようとした矢先、丹下左膳が現れ、彼を一対一の勝負で打ち負かします。これによって左膳は刀を奪い、どこかへ去ってしまいます。

キャスト

本作のキャストは豪華で、丹波哲郎が丹下左膳／源三郎役を演じる他にも、鰐淵晴子が萩乃役、瑳峨三智子がお藤役、園井啓介が源之丞役と、個性的な俳優たちが揃っています。また、北龍二が柳生対馬守、東野英治郎が一風宗匠を演じるなど、さまざまなキャラクターたちが物語を彩ります。

スタッフ

この映画の制作には多くの才能が結集しています。監督の内川清一郎はこの作品を通じて新しい時代劇の魅力を引き出しました。制作には岸本吟一や清水俊男、脚本には野口泰彦が関わるなど、しっかりとした製作体制が整っています。また、撮影は太田喜晴が担当し、映像美を引き出しました。

併映作品

映画『丹下左膳』は、堀内真直監督による『ばりかん親分』と併映され、観客に多様なエンターテイメントを提供しました。

このように、映画『丹下左膳』は多くの要素が組み合わさり、記憶に残る作品となっています。

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