堀内真直

堀内真直：映画とテレビを彩った名匠

堀内真直（ほりうち まなお、1910年10月7日 - 1980年5月16日）は、昭和期の日本映画界を支えた映画監督、脚本家です。松竹大船撮影所において、プログラムピクチャーの名手として知られ、その確かな演出力で数々の作品を成功に導きました。映画界を退いた後も、テレビ映画の世界で活躍し、幅広いジャンルの作品を手がけました。

生い立ちと初期のキャリア

1910年、堀内真直は東京に生まれました。映画監督としてのキャリアは、1940年に松竹下加茂撮影所で、古野栄作との共同監督作『権三と助十』で「堀内真那夫」名義でデビューしたことに始まります。この作品で監督としての第一歩を踏み出しました。

松竹大船撮影所での活躍

第二次世界大戦後、堀内は松竹大船撮影所に拠点を移し、佐々木康監督の助監督として経験を積みます。1950年には、川島雄三監督の『夢を召しませ』でチーフ助監督を務めるなど、その才能を高く評価されました。1952年、再び監督として『父帰る』を発表し、本格的に監督としてのキャリアを再開しました。その後、1953年に入社した小説家の高橋治が助監督時代に堀内に師事するなど、後進の育成にも力を注ぎました。

堀内は、松竹大船撮影所において、『東京やんちゃ娘』(1953年)や『海流』(1959年)、『ばりかん親分』(1963年)といった作品を監督し、その幅広い演出力と、娯楽作品としての完成度の高さで観客を魅了しました。特に、当時の社会情勢や人々の日常を反映した作品が多く、観客からの共感を集めました。

テレビ映画への転身

1965年、堀内は松竹大船撮影所を定年退職しましたが、映画界から引退したわけではありませんでした。同年には、杉山茂樹プロデュースの「蜂の巣プロ」で『我が青春』を監督し、引き続き映画制作に携わります。その後、テレビ映画の世界に活躍の場を広げ、1967年からライオン奥様劇場『女のいのち』を皮切りに、テレビドラマの演出に本格的に取り組みました。

テレビ映画の分野では、『マイティジャック』(1968年)のような特撮作品から、『37階の男』(1968年)や『魔神バンダー』(1969年)のようなドラマまで、幅広いジャンルの作品を手がけました。1970年には、『日本怪談劇場』や『おさな妻（麻田ルミ版）』などの話題作も手がけ、その演出手腕はテレビ界でも高く評価されました。

晩年と遺作

堀内真直は、1980年5月16日に69歳でその生涯を閉じました。彼の遺作は、1979年に東京12チャンネル（現テレビ東京）で放映された『日本名作怪談劇場』です。この作品は、彼の映画とテレビドラマにおける集大成とも言えるもので、怪談というジャンルを通じて、人間の内面を描き出しました。

主なフィルモグラフィ

映画
『権三と助十』（1940年）
『父帰る』（1952年）
『東京やんちゃ娘』（1953年）
『海流』（1959年）
『ばりかん親分』（1963年）

テレビ映画
『花の罪』（1967年）
『マイティジャック』（1968年）
『37階の男』（1968年）
『魔神バンダー』（1969年）
『マキちゃん日記』（1969年 - 1970年）

まとめ

堀内真直は、映画監督として、またテレビドラマの演出家として、昭和の映像文化に多大な貢献を果たしました。その作品は、単なる娯楽作品にとどまらず、当時の社会情勢や人々の感情を巧みに描き出し、多くの人々に感動を与えました。彼の作品は、今もなお多くのファンに愛され続けています。映画とテレビの両方で活躍した彼の功績は、日本の映像史において重要な位置を占めています。

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