丹後 (戦艦)

丹後（たんご）

丹後は、大日本帝国海軍で運用されていた戦艦です。元々はロシア帝国海軍のペトロパブロフスク級戦艦であり、艦名はその原型艦の「ポルタヴァ」に由来しています。この艦は、日露戦争において重要な役割を果たしました。

歴史的背景

丹後の建造は1894年（明治27年）で、ロシア帝国海軍において「ポルタヴァ」という名前で進水したのです。ペトロパブロフスク級艦隊装甲艦のネームシップとして、日露戦争の初期において旅順艦隊に所属しました。1904年4月には、黄海海戦にも参加。その後の12月、旅順港での203高地からの砲撃によって大きな損傷を受け、着底することになりました。

改修と再就役

旅順要塞の降伏後、日本海軍がこの艦を捕獲。1905年1月1日付で「丹後」と名称変更され、再び艦籍に編入されました。同年の5月29日には浮揚作業が開始され、7月21日には成功を収めました。その後、8月に日本海軍の艦艇として再び加わり、本格的な修理を受けて改造が施されました。

この改造により、艦のボイラーは国産の宮原式石炭専焼缶に交換され、武装もロシア製からイギリスのアームストロング社製に変更されました。新たに対水雷艇迎撃用の速射砲が追加されるなど、艦の性能向上が図られたのです。

繁忙な艦歴

丹後は、再就役後、一等海防艦として大正元年に類別改定を受けます。第一次世界大戦が勃発すると、日本とロシアは同盟を結び、舰船の運用に影響を及ぼしました。しかし、1916年4月には軍艦籍から除籍され、その後ロシアに返還されました。以降、「チェスマ」という名前に変更されました。チェスマは白海艦隊に所属し、最終的にはアルハンゲリスクで解体されることとなります。

艦長と艦歴の詳細

丹後の艦長としては、茶山豊也や羽喰政次郎などが名を連ね、西洋各国との関係の中で艦の運用が行われました。艦歴の詳細に見ると、日露戦争から第一次世界大戦にかけての艦の役割や艦長の変遷が、当時の海軍における技術や戦略の進歩を示しています。

総括

丹後は、戦艦としての使命を全うした後、多くの歴史的な出来事を経て、最終的にロシアへの返還という運命を辿りました。この艦の変遷は、当時の国際情勢や軍艦の運用において重要な側面を持つといえます。日本海軍史においても、丹後の存在は忘れられないものとなるでしょう。

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