丹羽兵助

丹羽兵助に関する詳細な情報

丹羽兵助（にわ ひょうすけ、1911年5月15日生まれ、1990年11月2日没）は、日本の著名な政治家で、自由民主党に所属した衆議院議員を12期務めました。彼は愛知県出身で、名古屋市において陸上自衛隊の駐屯地での刺殺事件により79歳で命を落としました。彼の家族には弟の丹羽久章と、孫の丹羽秀樹がいます。

生い立ちと政治キャリア

丹羽兵助は、愛知県東春日井郡守山町（現・名古屋市守山区）で生まれました。名古屋中学校を卒業後、牧師を志して関西学院神学部に進学しましたが、父の急死により家業である土建業の丹羽建設を継ぐこととなりました。彼の政治キャリアは1941年の守山町議会議員への初当選から始まり、1947年の愛知県議会議員選挙で初当選を果たし、1955年には衆議院議員に選出されました。

彼は自民党内では傍流の三木派や河本派に所属し、政治活動を通じて自身の後援会「二八会」を形成。地元に密着した活動が評価され、1979年には再び衆議院に当選。国土庁長官や労働大臣などの要職も歴任し、1988年には勲一等旭日大綬章を受賞しました。

選挙違反事件

1990年の第39回衆議院議員選挙では12期目の当選を果たしましたが、選挙直後の2月21日、妻と長男が公職選挙法違反で事情聴取を受けました。彼らは名古屋市内の料亭で現金を渡したことで疑惑を呼び、最終的に妻と長男は懲役2年、執行猶予5年の判決を受けました。丹羽自身は起訴を免れましたが、政界への影響は大きく、彼は政界の辞職を考える状況に追い込まれました。

刺殺事件

1990年10月21日、丹羽は陸上自衛隊守山駐屯地での式典に出席した際、統合失調症の男に首を刺されました。彼は出血多量で心肺停止状態となり、愛知医科大学病院で手術を受けましたが、11月2日に亡くなりました。この事件は、国会議員としては1960年の浅沼稲次郎刺殺事件以来の衝撃的な事件となりました。

医療過誤と遺族の訴訟

丹羽が搬送された際に、秘書の置いた血液型に基づいて不適合な血液が輸血される医療過誤が発生。結果的に、遺族は関連する病院を相手取って訴訟を起こしましたが、後に和解が成立しました。この事件は丹羽家にとって大きな悲劇であり、彼の政治的業績に影を落としました。

その後の影響

丹羽の死後、彼の息子の孝充も公職選挙法違反で逮捕され、家族に負の側面が続きました。丹羽兵助は日本の政治史に名を刻んだ人物であり、彼の遺産は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼の人柄や支持基盤、そして彼が抱えていた政治的な包囲網は、愛知県における政治の変遷を一つの形で象徴しています。

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