守山駐屯地

陸上自衛隊守山駐屯地の詳細解説

守山駐屯地は、愛知県名古屋市守山区に所在する陸上自衛隊の駐屯地であり、第10師団司令部をはじめとする複数の部隊が駐屯しています。この駐屯地は、単なる軍事施設としてだけでなく、地域の歴史と深く結びついた存在でもあります。

駐屯地の概要

守山駐屯地は、名古屋市守山区守山三丁目に位置し、第10師団副師団長が駐屯地司令を兼務しています。隷下の分屯地として岐阜分屯地（岐阜県各務原市）があり、岐阜県岐阜市には日野基本射撃場があります。この射撃場は、東海3県にある4つの自衛隊射撃訓練施設の一つであり、訓練の重要な場所となっています。

歴史

守山駐屯地の歴史は、旧日本陸軍時代に遡ります。

日本陸軍時代

1896年（明治29年）：旧日本陸軍第3師団第5旅団歩兵第33連隊が、名古屋歩兵第6連隊内で発足。この年は第1大隊が編成されました。
1897年（明治30年）：歩兵第33連隊が名古屋城から守山に移駐。同年12月には第2大隊が成立しました。
1925年（大正14年）：軍縮に伴い、歩兵第33連隊は久居に移駐しました。
1928年（昭和3年）：第3師団隷下の騎兵第3連隊が名古屋市中区から移駐。
1944年（昭和19年）：第3師団隷下の野砲第3連隊が名古屋市中区から移駐。

アメリカ軍時代

1945年（昭和20年）：終戦後、在日米軍が守山に進駐し、駐屯地を接収しました。
1957年（昭和32年）：米軍が撤収しました。

陸上自衛隊守山駐屯地時代

1959年（昭和34年）:
6月1日：守山駐屯地として新設。
6月2日：第14普通科連隊第2大隊が金沢[[駐屯地]]から移駐。
6月3日：第10混成団本部及び諸隊が久居[[駐屯地]]から移駐。
1962年（昭和37年）：第10混成団が第10師団に改編。第14普通科連隊第2大隊を基幹として第35普通科連隊が編成完結。
1975年（昭和50年）：第10師団音楽隊が正規編成となり、第10音楽隊が新編。
1991年（平成3年）：第10後方支援連隊を新編。
2004年（平成16年）：師団改編。
第10化学防護隊が新編。
第10後方支援連隊本部などが春日井駐屯地に移駐。
第10後方支援連隊の整備大隊が新編。
2013年（平成25年）：第10化学防護隊を第10特殊武器防護隊へ改編。
2023年（令和5年）：岐阜分屯地日野基本射撃場にて日野基本射撃場発砲事件が発生。

駐屯部隊

守山駐屯地には、中部[[方面隊]]隷下の部隊が駐屯しています。

第10師団
司令部
第35普通科連隊
第10後方支援連隊
第1整備大隊
通信電子整備隊
第2整備大隊
第3普通科直接支援中隊
第10通信大隊
第10特殊武器防護隊
第10師団司令部付隊
第10音楽隊
中部方面システム通信群
第104基地システム通信大隊
第306基地通信中隊
中部方面会計隊
第408会計隊
守山駐屯地業務隊
防衛大臣直轄部隊
警務隊
中部方面警務隊
第130地区警務隊

周辺の主要交通と関連施設

駐屯地周辺には、以下の幹線交通網と重要施設が存在します。

幹線交通

高速道路: 東名高速道路、名古屋第二環状自動車道
一般道: 国道19号、国道302号、愛知県道15号、30号、59号、215号
鉄道: 名鉄瀬戸線 守山自衛隊前駅、名古屋ガイドウェイバス志段味線 守山駅
港湾:名古屋港、衣浦港
飛行場:中部国際空港、名古屋[[飛行場]]

重要施設

新名古屋火力発電所
西名古屋火力発電所
知多火力発電所
知多第二火力発電所
武豊火力発電所
碧南火力発電所
南安城変電所
北部開閉所
日本製鉄名古屋製鉄所
JFEスチール知多製造所
ENEOS知多製造所
出光興産愛知製油所
出光興産碧南LPG基地
日油衣浦工場／武豊工場
川崎重工業航空宇宙システムカンパニー
三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所
三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所
豊和工業
尾張東部浄水場
金城ふ頭

特徴

守山駐屯地には、以下のような特徴があります。

名古屋城にちなんだ「しゃちほこ」が正門や庁舎に設置されています。
旧軍時代から「守山」という名称が使用されています。
1990年には、衆議院議員が駐屯地内で刃物で刺殺される事件が発生しました。
2023年には、日野基本射撃場で自衛官候補生による発砲事件が発生しました。
駐屯地内にはLAWSON、モスバーガーの移動販売店、カレー屋台が利用できます。

守山駐屯地は、歴史的な背景を持ちながら、現代の自衛隊の重要な拠点として機能しています。

脚注

守山市史編さん委員会 編『守山市史』愛知県守山市役所、1963年

外部リンク

守山駐屯地ホームページ

もう一度検索