乃木神社 (那須塩原市)

栃木県那須塩原市の乃木神社：乃木希典夫妻を祀る歴史と自然豊かな場所

乃木神社は、栃木県那須塩原市に位置する神社で、明治時代の軍人として知られる乃木希典と、その妻静子夫妻を祀っています。県社格に列せられていたこの神社は、乃木夫妻が日清戦争後に居住していた別邸の敷地内に創建されました。

乃木夫妻は明治天皇の崩御後、殉死されました。1912年（大正元年）9月18日に行われた葬儀の後、地元住民から乃木希典を祀る神社の創建を望む声が上がり、1915年（大正4年）に創建が許可されました。1916年（大正5年）4月13日には社殿が完成し、鎮座祭が執り行われました。

神社のある敷地とその周辺は、乃木公園として整備されています。公園内には、約100本のソメイヨシノの桜並木が約800メートルにわたって続き、春には多くの花見客で賑わいます。境内には蟇沼用水が流れ、その一部は静子夫人の名にちなんだ「静沼」となっています。

この神社のもう一つの特徴として、境内裏手の湧泉「乃木清水」の存在が挙げられます。この湧泉からは、1984年（昭和59年）に新品種として登録された淡水産紅藻類のノギカワモズクが発見され、現在では那須塩原市の指定天然記念物となっています。乃木希典自身もこの湧泉を大変気に入り、自慢していたと伝えられています。

乃木希典那須野旧宅：歴史的建造物と悲しい出来事

乃木公園内には、乃木希典が1892年（明治25年）に自ら設計した農家風の木造平屋建て別邸「乃木希典那須野旧宅」（乃木別邸）の跡地があります。この別邸は、栃木県指定史跡に指定されています。乃木は、1892年、1898年、そして1901年から1904年にかけてこの別邸に滞在し、農業に従事しながら休養の時間を過ごしていました。現在の静沼は、かつて乃木の水田だったと言われています。

しかし、1990年（平成2年）10月28日、この乃木別邸は不審火によって焼失しました。乃木神社では、この火災を過激派による放火であると断定しています。焼失した別邸はその後、1993年（平成5年）に復元されましたが、この悲しい出来事は、神社の歴史に深く刻まれています。

アクセスと情報

乃木神社へのアクセスは、JR西那須野駅からとなります。神社の公式ウェブサイトや、那須塩原市による紹介ページ、栃木県神社庁による紹介ページ、SNS（X、Facebook）などを通して、より詳しい情報を得ることができます。静かな自然に囲まれた乃木神社は、歴史と自然を同時に楽しめる貴重な場所と言えるでしょう。

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