久世庸夫

久世庸夫について

久世庸夫（くせ つねお）は1876年6月15日に福岡県に生まれ、1945年7月31日に没した日本の政治家および大蔵官僚です。彼は第8、9、12、13代の福岡市長として市政に尽力し、また玄洋社の一員としても活動を行いました。

学歴とキャリアの初期

久世は福岡市に生まれ育ち、1894年に福岡県立尋常中学修猷館を卒業しました。その後、1897年に第5高等学校の法科を首席で卒業し、さらに1900年には東京帝国大学法科大学法律学科をも首席で卒業しました。彼は高等文官試験の行政科に合格し、大蔵省の理財局に入省しました。大学を卒業する際、彼は同じく後の首相となる広田弘毅に自分の角帽を貸し与え、その優秀さを象徴する存在でもありました。

大蔵省での活動

大蔵省では、那覇税務管理局長や東京税監局関税部長として数々の重要なポジションを歴任しましたが、1903年に退官し、その後は日本生命保険会社に転職しました。彼はその後、東京支店長や取締役に昇進しました。

福岡市長としての活動

1919年3月24日、久世は第8代福岡市長に就任し、1924年5月29日までの2期にわたり市政を担当しました。この期間中、彼は九州帝国大学の農学部設置に尽力し、地域の教育向上にも貢献しました。1925年からは福岡市議に選出され、第34代福岡市会議長にも就任しましたが、1928年の衆議院議員総選挙では落選しました。

その後、彼は博多株式取引所の理事長を務めたのち、1930年6月17日には第12代福岡市長として再び市政の舵を取ることになりました。この時期には博多港の大築港工事など、地域のインフラ整備を進めました。

政治活動の終焉

1938年1月21日まで市長を務めた後、1940年からは福岡県議として活動しました。個人的な背景として、彼の妻である申代は、日本生命保険の社長や衆議院議員を務めた片岡直温の二女でした。

彼の業績と影響

久世庸夫の政治活動は、福岡市の近代化や地域発展に寄与しました。その業績は未だに評価されることが多く、福岡市における彼の影響力は今日においても感じられます。彼の生涯を通じての貢献は、地方自治体の運営や国の発展における重要な礎を築いたと言えるでしょう。

参考文献

• - 青木秀『修猷山脈』（西日本新聞社、1971年）
• - 大熊浅次郎『幕末福岡藩洋行の先駆 松下直美概蹟』（1928年）
• - 『福岡県百科事典 上巻』（西日本新聞社、1982年）

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