片岡直温

片岡 直温（かたおか なおはる）

片岡直温は1859年10月13日（安政6年9月18日）、土佐国高岡郡半山郷永野村（現・高知県津野町永野）に生まれた日本の実業家・政治家です。1934年5月21日に亡くなるまでの間、近代日本の変革を支えた重要な人物として知られています。彼は片岡直輝の弟であり、片岡安は彼の娘婿でもあります。

来歴・人物

最初は教育者としてキャリアをスタートし、その後郡書記や滋賀県警部長を歴任しました。1880年に上京してからは、内務省に入省し、伊藤博文との関係を築くことでキャリアを拡げました。1889年には官僚を辞職し、日本生命保険会社に参加し、創立時には副社長に就任しました。その後、1903年から1919年まで2代目社長を務めました。この期間、日本生命は急成長し、業界の大手としての地位を確立しました。さらに、1915年には都ホテルの社長に就任し、共同銀行や関西鉄道などの企業でも活躍を示しました。

政界では、1893年に衆議院議員として初当選し、以降8回の当選を果たしました。桂太郎の新党構想にも関与し、立憲国民党の分裂を引き起こしました。その後、桂新党（立憲同志会）に参加し、憲政会の総務を務めるなど政治活動を展開しました。彼の政治家としてのキャリアは第2次加藤高明内閣での商工大臣としての初入閣から始まり、第1次若槻内閣における大蔵大臣としての任命に至ります。

1927年3月14日、衆議院の予算委員会で「東京渡辺銀行がとうとう破綻を致しました」と誤った発言をしてしまいます。この発言の影響で取り付け騒ぎが発生し、昭和金融恐慌を引き起こす要因となりました。このためか、若槻内閣は総辞職に追い込まれる結果となります。

1930年4月11日には貴族院の勅選議員に任命され、同年に成会に所属して引き続き議席を保持しましたが、1934年に死去するまでその地位に留まりました。

その他の業績

片岡は、衆議院議員選挙において、初回から17回目の選挙に至るまで計14回立候補しました。しかし、3回は立候補しなかったものの、8回は自ら積極的に選挙区を変更し、8勝6敗の成績を収めました。彼の選挙区の詳細には高知2区や大阪2区などがあり、彼の転居先に関する仕事の事情が影響したと考えられています。

栄典

片岡は1930年12月5日に帝都復興記念章を受章し、1934年5月21日には勲一等瑞宝章を授与されるなど、彼の業績は広く評価されました。

参考文献

彼に関する文献や資料は多く、特に政治家としての活動や、金融恐慌に関するドキュメントが数多く存在します。これにより、彼の実業界及び政治界における影響力についてより深く理解することができるでしょう。

片岡直温の業績は、近代日本の発展に寄与した重要なものとして後世に記憶されています。

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