久井・矢野の岩海

久井・矢野の岩海

久井・矢野の岩海（くい・やののがんかい）は、広島県に位置し、二つの主要な岩海帯で構成されています。この地域は「久井の岩海」と「矢野の岩海」の二つから成り立っており、1964年に国の天然記念物に指定されました。二つの岩海は、直線距離で約10km以上の間隔があるため、それぞれ異なる特色を持っています。

久井の岩海

久井の岩海は、三原市久井町にある宇根山の中腹に位置します（緯度34度32分22.6秒、経度133度4分49.5秒）。ここでは、花崗閃緑岩が長い年月をかけて風化や分解を繰り返し、独特の岩礫の帯状の地帯が形成されています。主に「おおごうろ」「なかごうろ」「こごうろ」「ゼニガメごうろ」といった数種類の岩礫が見られます。

特に「おおごうろ」は、その大きさが際立ち、長さ350m、幅90m、深さも最大で10mに及ぶ広大な範囲を占めています。この地域では、場所によっては地下を流れる水の音が耳に届き、自然の音に耳を傾けながらその景観を楽しむことができます。2007年には、地質の観点からその価値が認められ、日本の地質百選に選ばれました。

矢野の岩海

一方、矢野の岩海は府中市上下町の矢野に位置しています（緯度34度39分47秒、経度133度6分42.5秒）。この岩海も久井のものとほぼ同じ生成過程を経ていますが、地形や構造にはいくつかの違いがあります。範囲は久井の岩海に比べると小規模ですが、独特な特徴として巨大な岩が渓谷を埋めるように配置されており、その下には洞窟のような空間が存在します。

この二つの岩海は、それぞれ異なる魅力を持ちながらも、共通して広島県の自然の美しさを体現しています。また、地質学的な研究や教育の場としても重要な役割を果たしており、訪れる人々に自然の偉大さと神秘を感じさせてくれます。

関連項目

• - 地質・鉱物天然記念物一覧
• - 日本の地質百選

この地域についてさらに知りたい方は、広島県の文化財に関する公式サイトや、文化庁が提供する国指定文化財等データベースなどを参照すると良いでしょう。これらのリソースでは、久井・矢野の岩海についてのさらなる詳細情報が提供されています。

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