花崗閃緑岩

花崗閃緑岩について

花崗閃緑岩（かこうせんりょくがん、英: granodiorite）は、花崗岩と閃緑岩の中間に位置する特性を持つ深成岩です。この岩石は、主に石英、アルカリ長石、および斜長石から成り立ち、その特性に応じていくつかの関連する岩石と比較することができます。

特徴と成分

花崗閃緑岩は、火山岩のデイサイトに対応する岩石と考えられており、特に日本の地質においては、一般的に花崗岩と呼ばれるものが実際にはアルカリ長石を少ししか含まない花崗閃緑岩であることが多いです。このように、日本で見られる花崗岩は、他国のものとは異なり、アルカリ長石が少なく、主に斜長石が豊富に存在します。

また、花崗閃緑岩は、しばしば花崗岩と比較されますが、ここでの違いは大きな特徴となります。つまり、花崗岩は石英の含有量がほぼ同じでありながらも、アルカリ長石が豊富に含まれています。それに対し、花崗閃緑岩は、アルカリ長石に比べ、斜長石が圧倒的に多い点が挙げられます。

関連する岩石との比較

花崗閃緑岩にはいくつかの近縁の岩石があります。それらは以下のように分類されます。

• - トーナル岩: 花崗閃緑岩と似ているが、アルカリ長石をほとんど含みません。
• - 石英モンゾ閃緑岩および石英モンゾ斑れい岩: これらは花崗閃緑岩と同じく長石の比率が似ているが、石英の量が少ないのが特長です。
• - 石英閃緑岩および石英斑れい岩: これらの岩石は、花崗閃緑岩と比べて石英とアルカリ長石の含有量が低い特性を持ちます。

これらの岩石はそれぞれ異なる特性を持っているため、地質学的な研究や採掘の場面で特定の用途に応じて用いられます。特に花崗閃緑岩は、その中間的な特性から、さまざまな用途に適していると言えます。

日本における位置づけ

日本においては、花崗閃緑岩は非常に重要な役割を果たしており、特定の地域で多く見られます。この岩石の構成成分があまりにも特殊なため、地質研究の対象ともなっています。また、花崗閃緑岩はその外観から、建材としても利用されることが多いです。周囲の岩石と調和しやすいため、インテリアストーンとしても積極的に使われています。

このように花崗閃緑岩は、単なる鉱物ではなく、地域の地質を考える上で重要な意義を持つ岩石であることから、研究者たちにとっても注目の対象となっています。今後の研究に期待が寄せられるところです。

参考文献

• - 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。
• - 都城秋穂、久城育夫『岩石学II - 岩石の性質と分類』共立出版、1975年。
• - 黒田吉益、諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年。
• - 益富壽之助『原色岩石図鑑 全改訂新版』保育社、1987年。
• - 豊遙秋、青木正博『検索入門 鉱物・岩石』保育社、1996年。

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