上下町

広島県府中市上下町：歴史と文化が息づく旧宿場町

上下町（じょうげちょう）は、広島県の中東部に位置し、かつて甲奴郡に属していました。2004年に府中市に編入され、現在は府中市上下町となっています。江戸時代には石見銀山から瀬戸内海へと続く銀山街道の宿場町として栄え、天領として両替商などの金融業が発展しました。

町名の由来

町名の由来にはいくつかの説があります。

中心部付近が芦田川水系と江の川水系の分水嶺になっているため
分水嶺であり峠でもあったことから、峠の字から山を除いて「上下」となった
最初の上下村が上野村と下野村に挟まれていたため

歴史

沿革

1889年（明治22年）4月1日：町村制施行に伴い、甲奴郡上下村が成立
1897年（明治30年）5月7日：町制を施行し上下町となる
1954年（昭和29年）3月31日：甲奴郡清岳村・矢野村・吉野村および階見村の一部と新設合併し、改めて上下町が発足
1955年（昭和30年）：字斗升が芦品郡阿字村と同郡大正村に分離
1957年（昭和32年）6月10日：世羅郡甲山町の一部（松崎地区）を編入
2004年（平成16年）4月1日：府中市に編入。同日上下町廃止

主な出来事

1873年（明治6年）3月：上下代官所跡に上下小学校が創設
1874年（明治7年）10月：上下郵便局、普通郵便の取り扱いを開始
1886年（明治19年）9月：国留小学校校舎が暴風雨により倒壊
1900年（明治33年）1月：備後銀行上下支店開設
1913年（大正2年）1月：上下郵便局で通話交換事務取扱開始
1914年（大正3年）10月：上下電灯株式会社開業（大正7年に広島呉電力に合併）
1917年（大正6年）6月：清岳村役場、火災により焼失
1920年（大正9年）：甲奴郡実科高等女学校（後の広島県立上下高女）、甲奴郡実業補習学校（後の広島県立上下農学校）設置認可
1938年（昭和13年）7月：福塩南北線が開通。福塩線に改称
1956年（昭和30年）12月：上下小学校東校舎、火災により焼失
1958年（昭和33年）3月：上下簡易水道給水開始
1960年（昭和35年）7月：梅雨前線が停滞して豪雨。町内の多くが浸水する大水害
1972年（昭和47年）7月：集中豪雨（昭和47年7月豪雨）により上下町史上最大の水害が発生

地理

広島県の中東部に位置し、かつては神石郡三和町、総領町、甲奴[[町]]、府中市、世羅郡甲山町に接していました。標高500〜700mの神石高原延長線上に位置し、町南部は江の川水系と芦田川水系の分水嶺にあたります。上下川沿いに発達した上下は、近世に石州路の宿場として栄え、天領代官所が置かれました。

主要施設・名所旧跡

翁座: 大正時代に建てられた劇場
末広酒蔵資料館: 上下人形（土人形）を展示
真野資料館: 火縄銃などの歴史資料を展示
宇根・河井かたくりの里: カタクリの花が咲き誇る
翁山: 自然豊かな山
上下白壁の街並み: 江戸時代の面影を残す
上下代官所跡: 天領時代の名残
善昌寺: 由緒ある寺院
矢野の岩海: 特異な地形

交通

鉄道：JR福塩線が通り、備後矢野駅と上下駅があります。
道路：国道432号、広島県道などが整備されています。

出身有名人

岡田實麿：英文学者
岡田美知代：文学者
小掛照二：陸上選手
平幹二朗：俳優
伊原春樹：元プロ野球選手・監督
* 田中卓志：お笑い芸人（アンガールズ）

上下町は、その歴史的な背景と豊かな自然に囲まれた魅力的な町です。白壁の街並みを散策し、歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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